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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
春奈-クラスメート-part1/再会の世界
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甘えているんだろうな…暖かな空気とやらに)
いつぞや、憐が言っていた。自分の運命を忘れていたい、と。あいつはかつて、病を患っていた。17歳でアポトーシスが全身で起こり死ぬはずだった。しかも特効薬は開発中止を宣告され、彼は見殺しにされたも同然だった。今は秘密裏に特効薬が開発されていたため助かったのだが、当時の憐もそうだったのだろうか。暖かな場所で誰かのために生きていれば、自分の過去も未来も忘れていられるのだろうか。
でも、忘れてはいけない。ナイトレイダーになった理由、ウルトラマンの力を手にした理由を…。

――――誰かの命を摘み取った大罪を。

マチルダは部屋を出てため息を漏らした。
あの青年に対して、彼女はある程度考えていることが読めてきた。詳しいことはまだわからないが、後ろめたいことをずっと引き摺り続けている。それに気づいたとき、見た目によらず女々しい奴だと思った。でも、そうだからって自分にどうこうできることではない。他ならぬ本人の意思だから。それに、女々しく見えるからこそこうも考える。
(…責任感は、あるみたいだね)
ちゃんとテファを安心してやれ、とは言っておいた。あとは本人次第だが、意思を持って言いつけをキチンと守るなら大丈夫かもしれない。
それに今回の相談で、自分がかつて起こした破壊の杖事件で対立したことのあるサイトたちのことを思い出す。村に突如来訪してきたのは驚いたが、テファや子供たちと思いのほか楽に打ち解けることができた少年少女たち。そこにはあの色情魔じみてるように見えていたツェルプストーの令嬢が口添えしてくれたおかげもあった。ああ見えて周囲への気配りや仲介が得意なのだろう。性格が正反対なのに、無口な青い髪の少女とも仲良くできるわけだ。エマとサマンサが変な知識を植え付けられていないかが心配だが。
ともあれ、一度は対立し合った仲の連中だが、エルフだの敵などというへだたりをなくせばシュウやテファと釣り合えるかもしれないし、ためにもなるかもしれない。
もうすぐ、自分が盗賊をやる必要がなくなるかもしれない。親の気持ちとしては嬉しいが、寂しくもあった。



一方、シエスタの家。
「さあて…白状してもらいましょうかサイト。一体この子に何をしたのかしら!?」
「そうですよサイトさん、人が心配しているのをよそにどこで油を売っていると思ったら…どこぞの娘と…!」
「ちょ…なんで怒ってんだよ二人とも!さっき見つけてきたばかりの女の子に俺が一体何をしたってんだよ!」
仲間と合流するや否や、サイトはルイズとシエスタ正座させられていた。なぜだろう?サイトはいくら頭にこんなことをさせられているのか理解できず、ご主人様と仲良しなメイドさんの二人のプレッシャーに充てられるがままにされ続けていた。
「やれやれ、サイトを見つけて大団円かと
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