二十四章
先触れ=久しぶりの久遠
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いけど、すっごく綺麗な長い髪の女の子で、すっごくすっごく美人さんなの!名前を聞いても言ってくれなかったけど・・・・声だってすっごく綺麗な声をしてるんだよ!」
長い髪をしていて、美人さん。そして声も綺麗となると・・・・。何となくだが、先触れの者が誰かなのか分かってきたしトレミーからの報告でもそうだった。
「興奮してるわねぇ。・・・・そんなに凄いの?」
「うん!それの挙措も舞みたいに綺麗で、あ、でも目だけは綺麗なんだけど、炎が燃えてるみたいに鋭くって、ちょっと怖い感じだったかなー・・・・。夕霧お姉ちゃんも、タダモノじゃないでやがるって言ってたよ!」
「・・・・・・」
つい黙ってしまったが、予想通りの展開になりそうなのは確かだな。
「なかなか良い武者のようね。その使者、一体誰かしら・・・・・?」
「・・・・・(ジーッ)」
誰?と問いかけてくるような二人の目線を受けて、俺はため息を出たあとに小さく頷く。
「織田家に人材は多いけど、目が綺麗で炎が燃えている感じの怖く見えるっと言えば、一人しか思いつかないな」
「あら?」
「来た・・・・」
「先触れの使者は・・・・・」
織田家棟梁、織田三郎久遠信長、その人しか思い浮かばないさ。そしてこの後のBGMが主題歌のメロディーが鳴るのだった。
「一真ぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
「久遠っ!」
乗ってきた馬を乗り捨てた久遠が、俺の胸に飛び込んできたのだった。俺には本妻である奏もいるが、この世界に来て初めて会った人で初めて俺の恋人となったのならこういうリアクションにはなるな。
「このうつけもの!我を・・・・我を捨て置いて、貴様は何をやっていたのだ・・・・・!」
勢いよく飛びついて来た久遠は、俺の胸に顔を埋めてくる。まるでだだっ子のように首を振りながら、積りに積もった積年の恨みみたいにぶつけてくる。
「悪いな。寂しい想いをさせたようだが、もうどこにもいかんよ・・・・」
「寂しいなど・・・・寂しいなど・・・・・っ!」
初めて聞いたような声に震えていた声であった。俺を見つめる瞳の端がきらりと光ったと思うと、みるみると涙目となり涙が溜まるのだった。
「・・・・やっと会えたな」
久遠の髪に顔を埋めて、絞り出すかのように耳元で呟く。まあ周りに人がいる事は察知しているが、今はスーパー久遠タイムだからいいと思う。久々に会えるということは、凄く嬉しいという事だからな。
「う、うう・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
まるで子供のように声をあげながら、久遠は俺にしがみついて泣いていた。回した腕に力を籠めて、一つになると言うことなのかは分からんが俺を抱きしめるように力を籠めていた。あと俺の妻
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