二十三章 幕間劇
武田家の一日
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。いくら俺が指導をしたところで、弱卒なのは変わりがない。
「一真隊は元々前衛で真正面からぶつかる部隊ではないからな。俺直属部隊は話が別になるけど」
「であれば、一真隊は普段は何をしておるのだ?」
「私たちの一日、ですか?」
「うむ。拙らが山野を駆け回り、身体を鍛えている間、お主らは一体何をしているのか・・・・と思うてな。さすがに良人殿直属部隊は言わんでも分かる」
「そうですね・・・・。一真様直属部隊は知らないですけど、城のお役目をしたり、鉄砲の訓練をしたり、市を回ったり・・・・そのくらいですけど」
「鉄砲?確かに一真隊には鉄砲は多いが、そんな訓練が出来るほど玉薬に余裕があるのか?」
「尾張だと、鉄砲も玉薬も甲斐の四分の一もしないらしいんだぜ」
「何と・・・・・!?」
「だったら、市も色んな物が安かったりするんですか?」
「そうだなー。京や堺の品でも、堺とあんまり値段変わらないと思うからここよりは凄く安いと思うよ」
「へぇ・・・・。堺も京も行った事はありませんけど、さぞかし賑やかなんでしょうね」
「甲府の市とろっちが賑やかれすか!」
ふむ、そう考えるか。まあ京は荒屋が多いけど、堺は結構賑やかだったな。
「うーんとだな、この間に街の神社で縁日があったろ?」
用事で出かけたときに何の騒ぎだと思って行ってみたら神社の祭りだった。どの神社かは知らんが、そこそこ賑やかだった気がする。
「ああ。あれか」
「甲府れも五本の指に入るお祭なのら!」
「そうですね。私もこなちゃんと行きましたけど・・・・今年も人手は多かったですね」
「凄かったんだぜー?あんな賑やかな祭・・・・」
「毎日の市の賑わいが、だいたいあれと同じくらいだったかな」
「・・・・・・」←春日
「・・・・・・」←心
「ろんらけ人が多いんれすか!」
「ちょっとした縁日になると、通りが人で埋まっちゃいますよね」
「・・・・ちょっと想像付かないんだぜ」
「後はこの辺と違う所って言えば、海の魚がたくさん食べられる所でしょうか?」
「海の魚って、干物しか見た事ないれすよ」
「・・・・それは素直に羨ましいんだぜ」
「甲斐は海がありませんからね・・・・。川魚も食べる機会はそれほど多くはありませんし」
「甲斐の川魚も美味しいのは保障しとくよ・・・・。まあ船の連中も海の魚もたくさん食べているし」
そしたら梅が黙ってしまったのでどうした?ところが聞いてみたら、そういえば梅は上洛途中で織田の陣に加わったから、尾張には行ったことないと聞いた。尾張に戻らずに越後に甲斐まで来たからな。綾那もとは言うが、綾那は三河からだから少しは回ったというか寄ったとな。
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