二十三章 幕間劇
武田家の一日
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「もちろんですわ」
まあ船の夜勤でブリッジに上がっている者にとっては、当たり前の作業なんだが。レーダーに反応がなければいいのだが。見落とすなとは言いながらも、さすが甲斐の騎馬軍団というべきなのか、先行する二人のペースは暗がりでも早かった。梅はついて行くので精一杯だったけど。
「おーい。梅、遅いんだぜー。もっと急がないと、春日たちに負けちゃうぜー?」
「競争じゃないよ、こなちゃん」
『そうだそうだ。大事なのは怪しいヤツがいないか何だからだろ?』
「そりゃまあそうだけど、こんなの歩いてるのと変わんないんだぜ『スパァァァン』ってぇぇぇぇ!旦那は意識体なのに何で痛いんだぜ?」
『武田家と比べるんじゃねえよ。それより心、いつもはこれより早いのか?』
「こなちゃん、一真様の言う通りだよ。そうですね、いつもだとこれより倍くらいでしょうか」
「倍ですの!?」
『まあさすが騎馬軍団というべきというか、なんていうか』
この暗がりでライトも無しで倍のペースなんて、どんだけの速度なんだよ。ライト無しでもせめてGPSは付いていないと走れねえぞ。まあ現代人は明るいからな、ここは戦国時代だから、明かりなんてないし。梅の表情を見ると、茫然としている。まあバイクだったら騎馬軍団より勝るけど、さすがにこの暗闇の中では走りたくない。
「けれど、これだけの速さ・・・・綾那さんはいいとして、ひよさんところさん、大丈夫ですの?」
『相手は春日と兎々だから、加減していないかもなー』
春日と兎々のチームはこれより早いらしいと船から連絡があったが、暴走族並みの速さだそうで。これを取り締る警察官だったら、元暴走族のあの人だったら取り締まりできるかもなー。たぶん今頃しごかれている気がする。ひよたちに風を纏わせておいたからか、風を媒体にして伝わってくる。
「おーい梅ー。って、空から何か降ってくるぜ!」
粉雪が言ったように空から降ってきたのは、トレミー夜勤の真夜だった。それもバイクはゼロだし、腰には拳銃を持っていた。
「誰なんだぜ?」
「初めまして、私の名は真夜と言います。織斑隊長に代わって一緒に行動する事になりました、よろしくお願いしますね」
『俺が呼んどいた。梅だけじゃ、心細いと思ってな。あと真夜も俺の妻の一人だからな、あとはよろしくな。真夜』
「そうなんだぜ?それより真夜は何で何も持っていないんだぜ?」
「持っていますよ。腰に拳銃に短刀を持っています」
真夜の言った通りに、ホルスターにはハンドガンに短刀を反対側の方にあって、あとはゼロにもミサイルや機関銃とかを装備している。
「拳銃って確か『鉄砲のことだ、粉雪』そんなに小さいんだぜ?弓で十分だと思うんだぜ」
「私たちが持っ
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