二十三章 幕間劇
武田家の一日
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』
と自然に話しかけているが、他から見れば一人でぶつぶつと話している兎々を見れば不気味だと感じるだろうけど。それで準備を整えたひよ達と一緒に連れられてから、到着した先で待っていたのは武田家のいつものメンツだった。
「おや、良人殿はどうした?『呼んだ〜』!!!」
「織斑一真曰く頭の中に直接話しかけているらしいのら、らから見えないけど、すぐ近くにいるのら」
『そういうことだ。俺本体はさっき叩き起こされたので、船に行って寝ている。今の俺は意識体という』
「おはようなんだぜ、旦那。でも頭の中に直接言っているなんて、旦那は人間以上だと思うんだぜ?」
『そりゃそうだろう、粉雪。俺は人間じゃないことを知っているだろうに。それにしても相変わらず朝早いんだな』
「別に話しかけている早くなどないよ。この程度は日課のうちにござる」
「日課・・・・」
「早番とか、そういうわけじゃないんですよね・・・・?」
「こんなのいつもの事だぜ。・・・・でも今日は人数多いから、隊を分けた方が良い気がするんだぜ?」
「隊・・・・?訓練でもするですか?」
「朝の警邏ですよ。この辺りは山がちな地形ですから、この時刻は警備を厳しくしておかないと」
「なるほど。夜討ち朝駆けは武士の習いと言いますものね」
俺にしてみれば迷惑な話だ。それに俺らの船には中勤と夜勤で分けているから、トレミーブリッジでも管制官はブラック・シャーク隊の者がしている。イエローならフェルトやミレイナの仕事だが、トレミーは現在物凄く広いので管制官の席は5個から10個ある。今はブルーなので主な管制官は寝ている。船には索敵レーダーが付いているし、最高は日本全国までは無理だが、甲斐から越後くらいの距離ならば。それと衛星カメラからの監視もしているから。
「なら、適当に分けるといたそう。兎々、付いて来い」
「了解なのら」
「じゃ、あたいはこことだな」
「一真様たち、正確にはひよさん達はどうなさいますか?」
「では私たちは二人ずつ分かれましょうか。一真様は一人ずつに近くにいますから。私は・・・・・」
まあ俺自身はいないから、分けるのも簡単だった。それで山の端も暗い中、進んでいるのは甲府の周囲にそびえる山の中。分けるのはグーパーで分かれたけど、俺もいるとの事なので結局二人と三人になった。
「一見一人ですけど、近くにいるのですわよね。ハニー」
『まあな。別に二人ずつでもよかったんだが、意識体を分身させるのは不可能と知っているからな』
梅だけだが、側にいるかのようについて行くことになった。残りの三人は、別チームの春日と兎々に付いて行くことになったらしい。
『警戒任務だから、見落とすなよ。船でも見ているからな』
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