二十三章 幕間劇
小さな笹舟×薫の気持ち
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なの?」
「一真の翼はまさに干したてのお布団みたいなの。それにそれが一番なの。だから、薫も鞠に気を使わないでいいの。信虎おばさんの事とか、一真の事とかで、寂しそうにしてる方がイヤなの」
「そっか・・・・」
「・・・・冷たい?」
「え?何が?」
「鞠ね、駿府にいたころ、そういう言い方をたくさんして・・・・周りの人もどんどん離れていっちゃったの。泰能は最後まで残ってくれたけど・・・・。だから、鞠が冷たい言い方してるって思ったら、言って欲しいの。鞠はよく分からないから、教えてなの」
やはり鞠はそこを気にしていたようだ。鞠はまだまだお勉強が足りない子だから、人心が離れていくのが怖いというふうに感じる。
「そんな事ないよ」
「にゃ・・・・?」
「駿府にいた頃の鞠ちゃんは知らないけど、今の鞠ちゃんは、とっても優しい子だと思う。薫、鞠ちゃんの事大好きだよ」
「一真の事も?」
「え・・・・っ。そ、それは、その・・・・嫌じゃない?」
「なんで?一真を好きな人が増えるのは、鞠、とっても嬉しいの」
まあ鞠にとってはそう言い切れる事だろうけど、ひよ達にとっては恋敵が増えたと嘆くに違いない。
「ほんと・・・・?」
「うんなの」
と言いながら、俺が行ったとされる街の方向に向いていたので、俺は街から戻るようにして走っていた。そんで、棒は見つからなかったけど俺の能力で舟を浮かせてからちゃんと流れていくのを確認した俺と鞠と薫だった。
「ねえねえ、一真」
「何かな?(さっきの会話を聞いてたなんて言えないよな)」
「あのお舟、ちゃんと海まで行けるの?」
この先、河口に辿り着くまではどのくらいの距離なのかを風と水の精霊が教えてくれてから計算をした。まあ普通精霊と話が出来るなんてあり得ないけど、神仏を召喚したり会話をしたりしているからか、この光景を見る者にとっては不思議とは思えないそうだ。まあここにいる鞠と薫には見えないけど。
「鞠が願うのなら、きっと舟に宿ったのが海に行くと思うよ」
「だったら大丈夫なの!頑張ってって、たくさんお願いしたの!」
「ならその願いはきっと叶うよ。この俺が言うんだからな、さてとこのくらいにしてそろそろ帰るか」
「分かったのー!」
鞠や薫も俺が神仏の類だと知っているかのように、そう頷き俺の手にしっかりとしがみ付く。
「あ、あの・・・・お兄ちゃん『遠慮はいらないから、手繋ぐか』・・・・うん!」
もう片方の腕にも、心地よい重みがしっかりと伝わるような気がした。そして躑躅ヶ崎館に帰ってきたのは夕方だった、着いたあとに薫は夕食の支度があるからと言ったら鞠がお手伝いをすると言った。一瞬俺もと言おうとしたが、俺はそのまま部屋に
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