二十三章 幕間劇
小さな笹舟×薫の気持ち
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れているの!すごいすごい!」
そしてそれを追いかけて走るのは、小さな鞠でもあった。舟は浮かぶのは知っているように俺らの船も上空にて浮かんでいる状態だ。今は躑躅ヶ崎館の真上にいるけど。
「慌てない様にしろよー」
「分かってるのー!」
「鞠は楽しそうだな」
そう言ったけど側にいるのは、腕にしがみ付いている薫だった。薫も行かなくてもいいのかと聞くけど、今はこうしたいのかここからでも見えるからと言ってぎゅーっとする薫だった。よっぽどこうしたかったのだろうな、まあ俺みたいなのは躑躅ヶ崎館には俺しかいないのだろうよ。薫は笹舟を流したあとはまた腕にしがみ付いている状態となっている。で、薫のされるがままの状態になると川下から鞠が戻ってきたのだった。
「一真ぁ・・・・・・」
「何かあったか、鞠」
何だか明らかに元気をなくした鞠の姿があった。転んだのかなと思い膝を見るが汚れていないから、転んだ訳ではないらしい。
「あのね・・・・。来てほしいの」
そんなしょぼくれた状態の鞠に手を引かれたまま、下流に来てみれば。
「お舟、引っかかっちゃったの・・・・」
「あ、ほんとだ・・・・」
鞠の指差したところを見れば、笹舟は川のところの突き出た岩に引っかかっている状態だった。小さな緑の船体を何度も何度も岩壁にぶつかっているところだった。
「一真、大丈夫?お舟、ちゃんと海まで行ける?」
うーん、川を見れば少し深いところがあると水の精霊が知らせてくれるから入らない方がよさそうだ。
「何か棒か探してくるから、舟を見張ってていいかな?鞠に薫」
二人とも承諾して、薫も腕を離してくれたので俺は街に行くフリをしてから二人を見ていた。そしたら上空から見る事にしたので、風で空を飛んで二人には気付かないようにして風と同化したのだった。俺がいなくなったのか、二人は会話をしていた。
「ねえ・・・・鞠ちゃん」
「どうしたの?」
「今日は・・・・ありがとね」
「にゃ?何が?」
「お兄ちゃんとのこと・・・・色々応援してくれて」
「鞠は何にもしてないの」
「え、でも・・・・」
「鞠は、みんながニコニコしてるのが一番嬉しいの。だから、一真と薫もそうなるようにしただけなの。一番嬉しいのは鞠なんだから、薫はお礼なんて言わなくていいのー」
「そう・・・・なの?」
「薫は一真と一緒にいて、嬉しい?」
「・・・・うん。まだ繋いでた手があったかくて・・・・胸のあたりも、ドキドキしてる」
「うん。一真の手もだけど、翼もあったかくて気持ちいいの。手を繋いでたり、翼を出して包み込まれたら、鞠もほわーってなるの」
「そうだね。すっごく良く分かるけど、お兄ちゃんの翼もそう
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