二十三章 幕間劇
小さな笹舟×薫の気持ち
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全然。早く繋ごうよ」
「じゃ、じゃあ・・・・」
と言って、渋々だったけど薫は手ではなく、俺の指先をきゅっと掴んでいた。まあさすがに手と手だと恥ずかしいのかなとは思ったけど。
「・・・・・・・」
「えへへー」
鞠は嬉しそうにしていたので、まあいいかと思ったけど。鞠が薫に嬉しい?と聞かれたら、一瞬疑問になったが嬉しそうに見えたのだった。まあ鞠が薫を困らせていたけど、薫は顔を赤く染めている。というか、この状態だと親子にしか見えない気がする。
「ねえねえ一真、何だか美味しそうな匂いがするの!」
「ふむ。確かにそうだな、いい匂いがする。これは団子かな」
匂いを辿って見えてきたのは、焼かれていた餅なのか饅頭なのか良く分からない食べ物だった。
「・・・・これ、おまんじゅう?」
「そうだよ。信州の方でよく食べられてるんだけど、甲斐もあんまりお米が取れないから・・・・中にお漬物とか、野菜とかいろいろ入ってるんだよ」
なるほどな、そういうので代用しているのか。信州の方ではそういう郷土料理があったな。おやきだったかな。
「良い匂いなの・・・・」
食事の時間とは微妙ではあるが、小腹は空いたなと思った。
「この時間はおやつの時間だからか、食べるか?」
「食べたいの!」
「薫は?」
「え?私もいいの?」
「無論だ」
金ならいくらでも持っているし、余ったのは空間にしまってある。というか、この時代用の金として金庫として使っているけど。
「みんなで食べるのー!」
「じゃ、じゃあ・・・・薫も食べたい」
「三つだな!すいませーん。これくださいな」
そして三つ頼んだあとに金を払ったあとに、三つのおやきを貰ってから鞠と薫に渡した。
「はむ・・・・・。おいしいのー!」
で、鞠が美味しいと感想を言ったあとに続くかのように、俺も食べる。確かにこれはこれで美味しいな。
「ふーん、ホントに漬物が入ってるのか」
まあ実際に俺らの時代にもあるからな、そん時も食べたことあるけどまさかこの時代のおやきが食べられるとはな。今の時代と俺達の時代のとは美味さは変わらないけど、焼き立ては美味しいのだった。ご飯の代わりにはなる」
「鞠のはお茄子なの!薫は?」
「薫のは胡桃だよ。甘くて美味しいから、これ好きなんだぁ」
「一真のも薫のも美味しそうなの・・・・」
「だったら、少し交換しようか?」
「うん!じゃあ、一真も鞠の食べて良いの!」
「それじゃさっそく鞠、あーんして」
「あーん。・・・・はむっ」
鞠の口元を開けさせたあとに、そっと口元に差し出すと嬉しそうに食いついた鞠だった。
「お漬物も美味しいの!一真もあーんする
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