二十三章 幕間劇
小さな笹舟×薫の気持ち
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
生えていたからな、ちょいちょいっと作ってみた」
笹の葉で作るから笹舟とも言うが、この作り方は知っていた。
「へぇ・・・・ホントに舟の形になっているんだ。すごーい」
「簡単に作れるからな、薫も作ってみる?」
「うん!やってみたい!教えて、お兄ちゃん!」
で、鞠と薫による笹舟講座をしたのだった。そして一緒に作ってみた。
「ふわぁ・・・・。ホントに出来たのー!」
「すごいねぇ・・・・」
「二人とも、綺麗に折れたな」
笹舟とかなんて知っていれば簡単に作れる物だけど、初めて見た物はこの時代にとっても驚くことだ。ただの笹の葉が舟になるんだから。二人とも自分の手で作った笹舟を、空にかざしたり、ひっくり返したりとまじまじと見ている。
「ねえねえ一真!この葉っぱのお舟って、水に浮かぶの?」
「そりゃそうだろうな。上手く流れに乗れば、海まで流れていくよ」
「凄いの!だったら、川に流しに行きたいの!薫、この辺りに海に続いている川ってあるの?」
「海までは遠いけど、大きな川はあるよ」
「じゃあそこに行くの!いいでしょ、一真」
「俺なら構わんが、薫は平気か?」
「薫も平気だよ。お兄ちゃんと鞠ちゃんがいいなら・・・・一緒に行っていい?」
「もちろんなの!薫も一緒に行くの!ほらほら、一真!」
「こらこら。手を引っ張るな、行くからさ!」
そして躑躅ヶ崎館を出た俺達は城下に行っていた。
「えへへー」
「鞠、ニコニコしているな」
笹舟が完成したときも超ご機嫌だったけど、今の鞠は超弩級に上機嫌な感じとなっている。俺の手を握っているからか、しがみ付いていてこれ以上ないほどに楽しそうな笑顔になっていた。
「だって、一真とこうやってお出かけするの、久しぶりなのー!薫とも一緒だし、とっても嬉しいの!」
「そういえば一緒に出掛けるのは久しぶりだなー」
越後にいた頃も時々出かけたりしていたけど、そん時の俺は鞠の保護者と言う感じにはなっていた。ここでは鞠とこうするのはならなかったけど。
「薫ー。川ってどっちなのー?」
「あ、うん。こっちだよ」
「分かったの!一真、行くのー!」
「はいはい、分かったから引っ張るなよー」
「・・・・・・・」
気になることがあるが、それは薫だ。何だかこっちを見ている。
「薫、もしかして手繋ぎたいの?」
「ええっ!」
「一真の言う通りなの。鞠だけが繋いでるのはずるいから、薫も手を繋ぐの。そっちのおてても、寂しいって言っているのー」
「お、お兄ちゃん・・・・?」
「鞠もこう言っているんだから、どうするの?繋ぐなら今の内だぜ?」
「お兄ちゃんは、嫌じゃない?」
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ