二十三章 幕間劇
逃走中・一葉を追え
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川中島での戦いが終わり、黒神眷属が合流したある日のことであった。
「主様!」
「ん?一葉、何か用か?」
用かと言ったら、俺の肩を掴みそのまま身体ごと傍の角へと押し付ける。
「静かに!」
「あ、ああ」
と言いながら、俺らがいるところに存在を隠す結界を張りながら、状況を考えていた。また乳でも張ったのか?いやあれは俺から触れない限り張らないはずだし、また何かやらかしたのかな?そしたら詩乃に雫に幽の声が聞こえてきた。
「一葉様は?」
「こちらにはいませんでした」
「まったく、あのお方は・・・・・!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
やはり予感的中なのかな。
「次は向こうを探してみましょう」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・うむ。何とかまけたか」
「何とかじゃなくて、俺が結界張ったからだよ。で、何したんだよ?」
この状況で分かるのは、一葉がまた何かやらかしたのだろうな。
「何じゃ、結界を張ってあったのか。子細は後で話す、とりあえず一緒に来てたも」
分かったとも言わないで、一葉は俺の手を取って足音を殺して走り出す。そして躑躅ヶ崎館を出ると歌夜と遭遇する。
「あ。一真様、一葉様。お出かけですか?」
「うむ。少々主様と街歩きをしてくる」
「そうですか・・・・」
「ふふん。今日は歌夜には分けてやらんぞ?お主は甲斐でもずっと一緒だったのだからな」
「ええ、それはまあ・・・・たくさん可愛がっていただきましたし。一葉様もゆっくりしてらしてください」
「ほほう。余裕じゃな?」
「え、あ・・・・そういうわけじゃっ!」
「冗談だ。主様の妾ならば、そのくらいでなくては務まらん。では行くぞ、主様」
「分かったから引っ張るなって、という訳で行ってくるよ。歌夜」
「はい。お気をつけて」
堂々と出て行ったが、これでよかったのだろうか。一応脳量子波で、桜花、沙紀、結衣で非番はいるかと聞いたら沙紀がちょうど手が空いているとのこと。なので、命令するまでは、光学迷彩で隠れていろと言っておいた。あとは詩乃たちがいるところで待機と。そんで躑躅ヶ崎館を出てからしばらく歩いていると。
「ふむ・・・・この辺りまで来れば良かろ」
街の一角まで来た所で、一葉は繋いだままの手の力を緩んだのだった。
「予想はできるが、何したんだ?」
「そうじゃな。話せば長くなるのじゃが・・・・。この間、川中島で余が美空と共に長尾の軍勢と一真隊を仕切っておったろう?」
「ああ・・・・・」
「詩乃と雫の奴、もっと良い方法があったろうにと説教など始めおってな」
「・・・・なるほど」
やはりそうか
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