二十三章 幕間劇
逃走中・一葉を追え
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おしいな。俺らはすぐ近くの柱にいるからな。
「あの辺りなの・・・・?」
「・・・・・」
「どうしたの?綾那ちゃん」
「くんくん・・・・一真様の匂いがするのです!」
「あ、ホントだ。一真の匂いがするの!」
あ、匂いを消すのを忘れていたな。この野生児たちは、勘が鋭すぎて怖いわ。
「匂い消しをすんの忘れていたな」
「余は役得だが、もう少し黙っておれ」
まあ時間の問題だと思うけど、匂いについては風に頼んで拡散してもらった。さすがに認識されなくとも匂いまでは認識されるだろう。
「あれ?一真の匂いがどっか行っちゃったの・・・・・」
「あ!ここなのです!このむしろの中から一真様の匂いが・・・・」
「(主様、あのむしろを動かすことは可能か?)」
「(分かっているから黙ってろ)」
といってはむしろを三人の前に投げつけた。そこにいるというのは大間違いで、実は三人の後ろにいたというだけだけど。
「わぷっ!」
「ひゃぁあっ!」
「な、何なのですーっ!?」
「今じゃ主様!」
「はいはい。皆、悪いな。この将軍に命令されていたからな、ごめんなー」
小さく手を合せて、悪いと言っておきながらであるが俺神だったよな?と再認識をする。全力疾走をしていくつもの角を曲がった居たら、後ろからの声は聞こえなかった。まあ匂いまでは俺の誤算だったがうまく拡散したからな。
「やり手を相手に逃げ回る方が、雑魚相手よりよほど楽しいであろ?」
「俺が神である事を忘れるぐらいだよ。今後はもう御免だね」
そして俺らが逃げ回っていたときだった。躑躅ヶ崎館では。
「・・・・鞠さんたちでも駄目でしたか」
「ごめんなのー」
「まあ、相手は公方様と神様ですからかなー。一筋縄でいかぬのも道理、いかに一真様であっても公方様に手を貸しておれば追っ手を追い払おうともできたのでしょうな」
「綾那たち、結構良い所まで追い詰めたのですよ!途中から一真様たちは空に逃げたり、むしろにいたと思ったら綾那たちの真後ろにいたのです」
「とりあえず、もう一回出てくるよ」
「隊長も自分は神だと、再認識したくらいだと言ってました。神から逃れることはないのですが、その逆はどうなんでしょうか」
「お願いします。ですが、鞠ちゃん達でも厳しいとなると、後は・・・・・」
「そうですね」
「こちらに向かれても困るのですが、それに場所を特定はできても隊長からの守秘義務がありますので」
と躑躅ヶ崎館ではそうなっていたのだった。
「御大将ー。詩乃からの連絡で、綾那たちが一真さん達を逃がしたらしいっすー」
「そう。なら、こちらは予定通りに展開を」
「分かったっす。・
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