二十三章 幕間劇
逃走中・一葉を追え
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二人を温存しておいた意味があったようですな」
「出番なの?」
「・・・・お頼み申します」
「なら、ちょっと行ってくるですよ!」
この二人は鞠と綾那だろうな、脇道ならこの二人にお任せって感じだったし。
「一葉様ー!ハニー!・・・・どこに行ってしまいましたの・・・・?この角を確かに曲がったはずですのに・・・・一葉様ー!ハニー!どこですのー!」
そんな梅の声が、通りの向こうに消えていく。
「・・・・ふむ。まだまだ感覚は鈍ってはおらんようじゃな。久々に血がたぎってきたわ」
通りの角に身を潜めて、一葉は本当に楽しそうだけどこっちの身にもなってほしいな。一応念話で謝っておいたけど、詩乃からはそれは承知済みだと言っていたから分かっているとは思うが。まあ沙紀の索敵システムならすぐに察知できるけど、それを使わないとなると沙紀も楽しんでいるような気がする。
「さて。では、そろそろ動くとしようか、主様」
「動くのはいいけど、逃げるアテはあるのか?」
「向こうもそろそろ本気を出してくる頃であろうしな。本気で逃げるには、この装いではいかにも心許ない」
「本気、ねえ?」
一葉は今は鎧や刀を装備していない服装にはなっているけど、俺はまさかな?と思ったけど。
「街の破落戸程度なら、素手でもどうにもなるが、我が妹弟子相手では、これでは心許ないという事だ」
確かに破落戸程度なら、素手で対抗できるが妹弟子=鞠との相手では装備は足りぬということか。一方詩乃たちは。
「・・・・見つからない?」
「うん。一門衆の人達にも手伝ってもらっているけど、一真様や一葉様らしい人はどこにもいないって」
「やはり既にこの辺りにはいないでやがりますか?それともホントに神隠しで消えてしまったでやがりますか」
「そうですな・・・・。一真様なら、神隠しは出来ますが使いたくはないのでしょう。公方様の事ですから、こちらの裏をかいて大きく動いている事は間違いありますまい」
「それもふまえて、捜索地域は発見場所より外側を重点的に行っていたのですが・・・・。沙紀さんは一真様が神隠しをすると思いますか?」
「隊長はそんなことはしていないと、仰っております」
「神隠ししていないのであれば、そのさらに裏をかいて、動いていないという事でしょうか?」
「いや、その選択肢だけはありますまい。何せ、守るという事が何よりも嫌いなお方ですからな。しかも此度は一真様と二人だけ。守るものが無い以上、攻めに出ない理由がない」
「でやがりましょうなあ」
「では詩乃、もう一段階外の捜索に切り替えますか?」
「そうですね。いくら公方様とはいえ、天に昇る事や地に潜ることまでは出来ないはずですから・・・・それを出
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