二十三章 幕間劇
逃走中・一葉を追え
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らな。一葉の巻き込みで。
「そうじゃ、主様。どうせ夕方までは暇なことじゃし、このままどこかへ・・・・・」
「あ、一真様ー。一葉様ー」
「・・・・・ころ?」
「・・・・そろそろとは思うておったが、さすが詩乃じゃな。手が早い」
「あれは・・・・追っ手かな」
まあこちらは会話を聞いていたから、もうそろそろ来ると思ったんだけど。意外に早いなーと思った。歌夜が甲府の街に行くと言ったから、ここにいるのも不自然ではない。そんな状況の中を分かっていて、呑気に食事をしているのだからか、一葉は肝が据わっているというか太いというか。
「あ、いらっしゃいましたわ!」
「さて。腹ごしらえの次は、腹ごなじじゃ。主様、付いてまいれ!」
「って、おい・・・・っ!」
一葉は慌てるどころか、この上もなく楽しそうに、俺の手を取って走り出した。
「あ、一葉様っ!お待ちください!」
『仕事を増やして悪いな、ころと梅よ』
「ハニー。巻き込まれたとはいえ、追いかけっこをする羽目になるとは思いませんですが、ハニーは何も悪くありませんわ!」
「そうですよ。原因は一葉様なんですから、沙紀さんに聞きましたが、叶えられる願いは叶えるのも神の仕事だと聞いていますから」
『本当にウチのバカ将軍がすまない。と言う訳でころは詩乃に連絡を、梅は追いかけてこい』
「分かりましたっ!」
「離れず離さずで追いかけますわ!」
と言ってから、ころは連絡を取って梅は俺達を追いかけていたのだった。
「詩乃。ころさんから報告です」
「見つかりましたか」
「はい。地図で言うと・・・・この辺りでお見かけしたと。逃走の向きは、北だったそうですが・・・・それと一真様からの念話で謝っていました、いくら願いを叶える神でも、こんなしょうもないので申し訳ないと」
「その辺りについては、承知済みですと沙紀さんからお伝えしてくれませんか?」
「はい。分かりました」
「兄上もとんだとばっちりを受けたでやがりますな。それにしても北側でやがりますか・・・・」
「夕霧様、このような貴重な地図をお貸しくださって、ありがとうございます」
「それに、薫ちゃんにも光璃様に連絡を取りに動いていただいて・・・・」
「なに。気にすることはないでやがりますよ。でも街の北側だと入り組んだ所が多いでやがりますから、追い詰めるのは難しいでやがりますな」
「そうですな・・・・。公方様も恐らく本能で、この辺りを選んでおいでなのでしょう」
「ですが、京の碁盤の目ほど整ってはいないのでは?」
「大通りよりも、そこからの脇道の逃走で真価を発揮するお方でしたからなぁ・・・・」
「・・・・なるほど」
「やはり、お
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