二十三章 幕間劇
逃走中・一葉を追え
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「沙紀さんの言う通りでございますな。さすが、一真様の妻ですな。ですが、公方様の行動には飽き飽きしましがゆえ」
「とりあえず、歌夜さんは他の一真隊の皆さんを呼んで来て下さい。甲府の街を逃げ回っているとなれば、光璃様にも話を通しておいた方が良いでしょうね。それにしても、一真様も恐らく困っている様子なのでしょうから早めに捕まえたいですね」
「そうですね。場所についてまではお教えできませんが・・・・」
私、沙紀が皆さんと話をしていました。隊長の命で、詩乃さんのところに行き事情を話しました。そしたら隊長は巻き込まれただけと理解してくれましたし、妾や妻の願いを叶えるのが、夫の役目だと話しましたし。そしたら夕霧さんと薫さんが来ていました。
「あ、詩乃ちゃん。雫ちゃん」
「何かあったでやがりますか?」
「ああ、お二人とも、ちょうど良い所に・・・・」
と詩乃達の会話を、俺が聞いていたのだった。俺が巻き込まれたから、困っているとまで言った沙紀であったが沙紀にもお願いをしていた。それが、詩乃たちの会話を聞かせてくれだったけどな。
「うむ。美味かった!」
会話を聞きながら甲府の街を歩く、一葉は俺の隣でご満悦。
「それはそれでよかったな・・・・」
「やはり、あのような街の食事処は良いの」
通信機を片耳に付けながら腹が減ったとのことで、ちょうどあった食堂にて食事をした。さすがというか、京で歩き回りしていたのか随分慣れた様子で注文をしていく。
「やはり、というと、今までにもああいう所は入ったところはあるのか?」
「京にはあのような店はごまんとあったからの」
そういえばそうだった。一葉は将軍でも、街でゴロツキを片っ端から成敗してはその金で何かを食べる暴れん坊将軍だったか。暴れん坊将軍なら、吉音辺りかなと思いつつも食堂に入るのは一般人と変わらずという感じではあったが。
「ほうとうと言ったか?あれもなかなか良かったの」
「一葉は鍋、好きだったもんな」
越後にいたときも、一真隊では俺が作った鍋とかあったけど。誰よりも美味しそうに食べていた記憶がある。
「二条館では皆で食事をすることなど、双葉か貴族どもと顔を合わせた時くらいしかなかったからな。双葉は良いが、白塗りども相手の堅苦しい食事などまっぴらじゃ。それに、主様とも卓を囲めるしの。特に主様の料理は日の本一だと余は思うぞ」
「まあそう言ってくれると、あの時作り甲斐があったということだ。それに美味しく食べてくれることも嬉しいからな」
「余も一緒に食べるのが、嬉しいぞ」
こうやってストレートな物事を言うのなら、正直言って嬉しいんだけど。こういう状況でなければ、そう調子に乗ってはデートしているけど。今日はそうならないか
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