二十三章 幕間劇
逃走中・一葉を追え
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空も刀を引き抜いて・・・・。
「柘榴、松葉。手を出すんじゃないわよ」
「分かってるっすよー」
動き出すのは、二人同時だった。で、刀を振る双方の戦いは夕方まで続いたのだった。剣劇とも言おうか、達人クラスでしか見せないようなもんだったけど。上空で待機していた者たちも凄いと思いながら見ていた。桃香たちは空中にて、何かで遊んでいたけど。ヴァーリや愛紗に恋、それに刀を使う吉音にはたまったもんじゃないような勝負だった。
「・・・・・・すごいっすね・・・・・」
「うーん。まあ、そうだな。でも俺だったらすぐに終わらせるよ」
一葉と美空、双方の剣の腕はまさしく互角に過ぎない。剣技なら一葉の上だろうが、それを補って余りあるほどに、美空の刃は一葉へ自在に襲い掛かる。予想外の一撃を熟練した動きで防いでからの、鋭いカウンターを叩きこむ一葉。
「む・・・・・っ」
その刃を振り下ろしたときには、美空の姿はなかった。ほんの半歩だけ身をずらして、既に反撃の構えを取っていた。
「さすが御大将」
まあそこからのカウンターは、放たれることはなかったんだけど。美空がステップを踏んだのは、前でなく後ろに向けて。
「え、なんであそこで入れなかったっすか!?」
「・・・・・分かんない」
見た限り、先ほどの一撃を入れたら美空の勝ちではあった。けど、それは全力を見せていないからかもしれないと思ったからだ。
「・・・・・流石じゃな」
「・・・・・当然。今打ち込んでたら、危なかったでしょ」
まあ一葉の側には次の一手があったのだろう。美空はそれが途方もなくヤバい事を直感で悟ったんだろう。そして攻撃よりも引くことを選んだ。
「何なんすかそれ・・・・・」
「うーんとな。たぶん直感が働いて攻撃ではなく、引くのを選んだからだと思う」
俺は分かるが、柘榴たちのレベルを超えた戦いとなっていた。これはこの前の川中島での美空対光璃みたいな感じだろうよ。
「京でそちの腕は分かっておったが、なるほど見事なものよの」
「そっちこそ。私の剣をここまで捌くなんて、予想外も良い所」
「なら・・・・・」
「次は、本気って事ね」
二人の周囲の気配が、先ほどよりも変わる。
「これは受け止める理由が付いたな・・・・・」
「はぁぁああ・・・・・・・・っ」
「ふむ・・・・・・・・」
「御大将、それはまずい」
「一真さん。受け止める理由とは何なんすか?公方様にも何かあるんすか?」
「あるよ。お家流だけど、美空並みにヤバい、とっておきがあるんだが・・・・。これはさすがの俺は受け止めなければならないようだ、瀕死の重体になる覚悟をな」
「知られぬ外史にしか現れぬ、曹孟徳の七聖剣よ
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