暁 〜小説投稿サイト〜
ひねくれヒーロー
芽吹いた孔雀草
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かお前は!」


上着が血みどろになっているので剥ぎ取ろうと手にかけると振り払われた


(・・・なんかムカついたぞ、うん・・・)


「自分で着替えれるから後ろ向け」


見て気持ち良いものじゃないぞと追い払われる

素直に後ろを向き、衣擦れの音が聞こえ始めた時振り向いた


ただの、仕返しのつもりだった

見られたくないと言った意味を考えもせず、生意気な子供をからかってやろうと思った、ただそれだけだったのだ


青白く細い体に浮かぶ刀傷、縫い痕だらけの背中

腕や首筋に浮かぶ注射痕、拷問でも受けたのか

小さな体に不釣り合いな夥しい傷跡

そのなかでも鮮明に映ったのは、まるで、爆発でも受けたかのような火傷のあと

芸術家としてのオイラが、ただひたすら美しいと感じた

脳裏に浮かんだコンへの忍び疑惑など、捨て去るほどの美しさだった















野盗や獣に襲われることなく、無事に雷の国へとたどり着いた

長い間馬車に揺られていたせいで体のあちこちが軋みだす

粘土マカロン事件より口数が減ったダラーとともに商隊に別れを告げ、広場まで歩きだす

片手で広げた地図を確認すると、この町から一日ほど歩いたところに港町があるようだ

ダラーの目的地は知らないが、ここらで兄弟ごっこは辞めてお別れとしよう


「にい・・・ダラー、ここまで面倒見させて悪かったな
 俺はここから港町に行くからここでお別れだ」


立ち止まって声をかけるとダラーは身を正し、真っ直ぐこちらを目で射抜いた


「・・・コン、聞きたいことがある・・・うん」


おまえは、忍か?

そう問いかけられ、少しばかり悩む

自来也に修行をつけてもらったとはいえ、忍者登録も、アカデミーにも入学していないこの身

忍びかと聞かれれば否と答えるしかないだろう

首を横に振ることで答えた


「なら!
 お前のあの、爆発痕、誰にやられた!?」


血気迫る表情とはこのことか

肩を掴まれ問い詰められる

着替えのときに視線が感じると思っていたけど・・・

ここで素直に暁のデイダラです、と答えると何故暁を知っているのかと大変ややこしい状況を引き起こしそうだ

悩みに悩んだ俺の答え


「爆発に美を見出した芸術家にやられました」


誤魔化したようで誤魔化し切れていない、分かる人なら分かる特徴を告げてしまった


・・・まちがってねーもん


「・・・やっぱり、芸術は爆発なんだな、うん!」


しばらく震えていたダラーは顔を上気させて喜んでいた

なんだろう、この同士発見とでも言いたそうな
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