「E 'inutile, Silvana」
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は、正しい。ラファエーレは、ただの悪魔だから、シルヴァーナの家庭の事情に関わることができない。
兎に角、夜までにバルチェリーニを説得する方法を考えなければこの家を出ることは、難しい。なんとかかんとか頭をひねって考えてみる。
「浮かばないんだが。」
「まだ一分も経ってねーぞ。」
「一分経ったぞ。」
こんな感じにくだらない会話をしているので全く方法が浮かばない。
「・・・・これだから人間は・・・・。」
「人のこと言えねえだろ、役立たず悪魔。」
「それは、傷つく。じゃなくて!!いい方法を思いついたんだよ。」
「?」
・・・・
「あっあの・・・・ちょっと話が・・・・。」
「いいよ。」
「俺が言ったとおりに、ちゃんとやれよ?シルヴァーナ。」
「・・・・。」コクッ
「どうしたんだい?」
シルヴァーナは、最後の切り札を出す。・・・・その作戦がバルチェリーニに効くかは、わからないがダメ元でやってみる。
「・・・・俺は、自分のことも、あなたの事もわからない。」
「・・・・つまり君は、僕に記憶を取り戻すために家をでると言いたいのかい?」
「シルヴァーナ、いいから続けろよ。」
「(わかっている。)付け加えると、記憶を取り戻してあなたと本当の家族になりたい。それに・・・・今の俺じゃあなたを愛せない。わかるでしょう?」
「君が言いたい事は、よくわかった。でも記憶ならここで取り戻せば・・・・」
「無理だ。知らない場所で記憶を取り戻すなんて俺には、出来ない。」
バルチェリーニに負けないぐらい話すシルヴァーナ。シルヴァーナにしては、よくやるなぁと悪魔は、他人事のように感心した。
「それでもだめだと言うなら俺は・・・・俺は・・・・死ぬしかなくなる。」
「?!!いきなり何を・・・・」
「記憶無しで生きていけ・・・・なんてそんな辛いこと俺には耐えられん。」
「・・・・そうか。」
「・・・・。」
「君がそんなに強い子だとは、思わなかったよ。シルヴァーナこっちに来てくれ。」
「?」
「・・・・シルヴァーナ。君は、僕の大切な子供だ。お願いだから命は・・・・命だけは、粗末にしないでくれよ。」
そう言いバルチェリーニは、優しくシルヴァーナを抱きしめた。シルヴァーナは、今日初めて人に抱かれたが、どこか懐かしい気持ちになった。・・・・これが愛する、そして幸せということなのか。
「さて、君の旅の手伝いをするか。」
「・・・・ありがとう。感謝するよ。」
「親だからね。」
パタン
部屋には、シルヴァーナとラファエーレの二人だけになった。
誰もいない事を確認して先ほどの話を始める。
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