二十三章
長尾勢と武田勢の本陣
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・・・・」
「これが一真さんのハリセンですか・・・・。ですがこちらとしては感謝しているのですよ。あれほどまでに楽しそうな御大将を見るのは」
『それについてはもらっておこう。まあこの戦を止めるのが俺らの戦いだ』
美空は家督を継いで越後を守り、関東管領としての多くの豪族を守護し、周辺諸国から戦の天才と恐れられた少女に春が来たとはこの事だ。年相応の表情や言動が見られたのもいいことらしいが。俺はこんな戦をさっさと止めて鬼をぶっ殺しにいきたいくらいだ。俺は一葉がいる本陣との会話をやめて、空間を歪ませるのをやめていた。今彼方に見える、川を越えた先で戦っている大部隊がいた。
「丸に桔梗と九曜の旗が、毘沙門天に止められていますね・・・・」
「粉雪と兎々ちゃんだね。助けに行く?」
「俺らの任務はそこじゃない。行ってもいいけど、混乱になるだけだ。俺らが出来ることをしよう」
言い方ではある意味冷たいかもしれないけど、俺らの部隊は戦闘部隊ではないから混じったとしても混乱するだけ。この数十騎で出来る事はあるにはある。
「・・・・うんっ」
「向こう岸でも小競り合いが起きていますね。もう少し大回りしてから千曲川を渡りましょう」
「分かったです!」
「・・・・それにしても、前線の一真隊は随分と派手に鉄砲を撃っているようですね」
「二つ引き両以外に旗は?」
「小波の連絡だと対い鶴があると。船からの通信だと間違いなく八咫烏隊や一真隊の者たちがいるって」
前線からだいぶ離れているけど、小波のだと限度はある。が、こちらには母艦があるから問題ない。一真隊の様子としては空砲を放っているようだ。
「やはり副将として前線に立つのは梅さんですか・・・・ということは」
「まあ撃ちまくりと思いがちだけど、これは本当に撃っているのではなさそうだな」
「どういうことですか?」
「雫、梅に弾と玉薬を節約する策として、空砲で威嚇発砲するという案を出していなかったか?」
「え?どうして知っているんですか?」
「その案を今実行中ともあれば、玉薬がなくなる事で前線から後退する。ということは・・・・?」
一町はだいたい120mくらい。弾を入れているところは誰も気付かないはず。火縄銃の射程距離は頑張っても60mだが、八咫烏隊の精鋭部隊はもっとだろうし。今まで黒鮫隊と合同で研究をしたくらいだ。空砲から消音機とかもこちらから技術提供した。
「なるほど。一真隊は自然と後ろに退くという訳ですか・・・・。考えましたね」
「補給の時を狙って仕留めればいいです!」
「阿呆。仲間を仕留めるとはいい度胸だなぁ?んー?」
「あわわわわ、ごめんなさいなのです。補給で後退したときに合流すればいいです!」
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