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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
二十三章
休憩×一真隊の不安
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こえたとね。

「あ、お兄ちゃん」

「どうかした?」

「光璃に薫か」

「内緒話?」

「そういうわけではないが」

「句伝無量?」

「あらら。気付いていたか」

「一真隊の連携は不自然」

「そう・・・・ですね。確かに、不自然と言われれば」

まあ小波が仲間になった後からは、それに頼ったりとしてきたわけだし。黒鮫隊の連携もたぶん不自然と言われるが、これについては俺達の技術しか言えないことだ。知らん奴から見れば絡繰りか何かかと思うだろうし。

「ですが、それでも門外不出の奥義の名までは分からぬはず。・・・・失礼ですが、何処から?」

「湖衣から」

「湖衣様から・・・・?」

「湖衣の師は、藤林長門守」

「ああ・・・・であれば、得心がいきました。湖衣様の身のこなし、伊賀に通じる物だとは思っておりましたが・・・・藤林に連なる者でしたか」

「その藤林って?」

「藤林家は服部家と同じく伊賀を治めていた三忍が一つ。藤林家であれば、我が一族の秘伝の知識が残っていても、不思議ではありません」

「へえー。じゃあその湖衣も句伝無量を?」

「・・・・・・・」

答えはノーだった。どうやら湖衣には知識だけで、技そのものは伝わっていないようだ。

「じゃあ俺ら黒鮫隊の連携方法が何かは知っている?」

と言ったら首を横に振る。やはり知らないようだから、通信機を手に取ればこんな小さい物でとはさすがの光璃も驚いていたけど。で、光璃と薫に話したい事があったが川の音がうるさかったので、俺らの周りだけ結界を包み込んだ。そして内緒話をしていた。一方長尾勢にいる一真隊はというと。

「はぁ・・・・。一真様、元気かなぁ」

「元気なのは間違いないと思うけど、こっちに来てる軍に一真様の旗もないっていうから心配だよね」

「旗は雫ちゃんがいくつか持って行ってたはずだけど・・・・来てないのかなぁ・・・・一真様」

「一真は来てるの。きっと」

「だよねぇ・・・・。とはいえ、私たちは妻女山から降りちゃダメって言われているし、小波ちゃんのお守りもないし・・・・確かめようがないよね」

「雀、退屈だよー」

「・・・・・・・」

「待つのが仕事って、それは分かってるけどさー」

「何をしていらっしゃいますの、皆さん」

「ああ、梅ちゃん」

「お帰りなのー」

「一葉様たちのご様子はいかがでした?」

「美空様達と暇潰しに将棋を指してらっしゃいましたわ。・・・・ですが、武田の皆さんがようやくいらっしゃったようですわよ」

「ホントですかっ!」

「ええ。今本陣に伝令が来て、この妻女山の向こう、海津城に入ったとの連絡が」

「一真様はっ!」


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