二十三章
若神子城×ザビエルの正体について
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たと。桐琴や小夜叉たちのお陰でな、森親子も無事に美濃に着いたと」
と言ったら小波は無言ではあるが、喜び、綾那と歌夜は殿さんが無事で喜んでいたが。ハリセンで静かにと言った。そしてこちらに来る長尾勢の話も一部だけ伝えておいた。それに春日山のことや甲斐のことも久遠達織田勢には伝わっているだろう、それを聞いた久遠の顔を見てみたいが今はこれから始まる戦に集中だ。
「それならそれで、我々は安心して戦いに臨めます」
「それにまだ詩乃たちには保留もある」
「もしかして・・・・ザビエルですか?」
そう口にしたら歌夜の言葉に、詩乃は頷く。
「あれの正体はずっと考えていました。光璃様がなぜ、ザビエルの正体を私たちに話さないのか。その一点が、ずっと気にかかっておりました」
「俺としては、既に答えは出ているが。詩乃は答えは出たかな?」
「一真様も分かっていましたか、ですが。まだ確証はありません」
「意図が分からない、ということですか?」
「意図については見当がつきます。・・・・雫もその点は気付いていているのでしょう?」
「はい。・・・・光璃様は情報開示を限定的にする癖、というか傾向がありますね。例えば駿府屋形の異変や、鞠ちゃんのその後について」
まあ俺らの情報網でも引っかかっていたが、話すことではないと思っていた。信虎が鞠を追い出した件も調べは付いていた。
「事情を知れば、家中に要らぬ動揺が奔る。それを抑えるために、必要な時まで敢えて実情を伝えないというやり方ですが・・・・」
その時機を見定めるのは、慎重であり苦労もある。不発で終わることもある。
「久遠様に繋ぎを取らないこともそれと同じだと?」
「・・・・ザビエルの正体を俺はともかく、お前らが知れば動揺するか?」
「それも大きいでしょう。ですが現状、一番恐れなければならないのは・・・・。我らが正体に気付いたと、ザビエルに気取られることです」
「・・・・なるほど」
そういうことだ。知れば、動きや対応が鈍くなる。内緒にしても。いずれはバレる。人の心は無意識に表に出てくることがある。だったら知らせない方がいいということだ。敵を欺くにはまずは味方というもんだ、まあそういう意味では光璃のやり方は間違っていない。
「んむー、でもでも、なんでザビエルと久遠様が関係するです?ザビエルの正体を綾那は知らないですし、一真様や詩乃が手紙を書いて、久遠様にもこっそり渡すだけなら、綾那は動揺しないです」
「確かに。ザビエルが遠き地に居るのならば、それで問題ないでしょう」
「そうだな。ザビエルが俺らの、もしくは久遠のすぐ近くにいた場合でもか」
「一真隊の中にザビエルの可能性はありませんよ。無論私でも雫でもありません。ザビエル
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ