二十三章
武田勢の出陣と長尾勢の行軍
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三河に着きました、ありがとう』ですって。・・・・飛騨を通れなかったのは私のせいじゃないっての。むかつく」
「この前、越中を完全制圧出来ていれば、飛騨の姉小路は絶対に越後に尻尾振ってたっすよねー」
「越中が取れなかったのも、飛騨が武田に尻尾振ったのも全部あのバカ姉のせいよ」
「まあ、帰って良いならさっさと帰せ、と思っていたのでしょうし。嫌味の一つも言いたい所だったのでは?」
「それだって元を辿れば春日山で騒ぎ起こしたバカ姉のせいじゃない。知らないわよ。・・・・そっちは?」
「ふむ。なかなか面白いぞ。読んでみるか?」
「またあいつ?何度も手紙寄越してきて、マメねぇ」
「面白いとおっしゃいますと。それと一真様の気配は感じませぬな」
「・・・・ザビエルとやらの本性が、ぼんやりとではあるが見えたらしい」
「ひょっ?葵殿が、そのような・・・・?」
「あれではない。あれの遣いに便乗した、ちゃっかり者がおるのだ。相変わらず、抜け目のない奴よ」
「・・・・そっか。こっちに来るんだ、アイツ。前の時はそんなこと言ってなかったけど」
「あれも気まぐれ故にな」
「・・・・どうやら、川中島で戦う理由が一つ増えたみたいね」
「むしろ、それに乗る気で手紙をしたためたのであろう。詳しくは書いておらんが・・・・今回の件は良い目くらましになるであろうて」
全力でやっていいすかとか言っていたようだったが、アイツってもしかしてと思いながら長尾勢の会話をこっそりと聞いていた俺。俺と言うより、優秀な偵察機とトレミーのお陰で聞いている。この事は俺だけ知っているし、武田や詩乃たちには知らされていない。それにしても松平衆が三河に着いたのは、森親子が立派に役目を果たしたようだったけど。
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