二十二章 幕間劇
赤×赤
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夕霧だけは分かった様子だった。あれについてはホントに頭の片隅にでも置いておけと言ったがもう出るとはな。
「あれとは何なんだぜ?典厩様」
「まだ話せないでやがるが、粉雪は兄上の同行を任せるでやがるよ。そして鬼の強さを見てきてほしいでやがる」
「そうこなくっちゃだぜ!赤備え隊も、最近大した戦いがなくてうずうずしてたんだぜ!」
「ちょっと、不謹慎だよ。こなちゃん」
「まあ、意気軒昂なのは良いことでやがりますよ」
と言ってから、綾那も出たいと言ってきた。まあ、あれに関しては綾那も知らないところだし。粉雪は二人のお手並み拝見したいそうだ。
「なら、頼むでやがります。夕霧は躑躅ヶ崎館を動けないでやがりますから、心は後詰めを頼むでやがりますよ」
「承知しました」
「やったです!歌夜ー!」
「はいはい」
「だったら、すぐに出陣の支度を始めるんだぜ!旦那達も、遅くなったら置いてくんだぜ!」
この段階でお手並み拝見という訳か。まあ今回の鬼はドウター化した鬼が数十匹と聞いている、強化版の鬼を入れて。物見の報告と違うのは、俺らの技術違いだろう。
「では俺らも出陣する!」
あかね色の夕焼けを背負いながら東へ東へ走るのは、粉雪率いる騎馬軍団の一団だ。
「・・・・ホントに真っ赤です」
『まるで俺らの禁手化みたいに赤いなー』
綾那はそう言い、ドライグはまるで禁手化したあれみたいだと言っていたが、ホントに赤い。鎧全体が赤いなんて、赤龍帝の鎧とほぼ同じで赤い。
「何せ、赤備え隊だからなー」
「赤備え・・・・」
「そうなんだぜ。あたいの赤備え隊は、この武田でも指折りの精鋭なんだぜ!」
「そうですね・・・・。武田の赤備えと言えば、その精強ぶりは三河にも轟いているほどですから」
「そんなに強いの?」
「当然だぜ。最初は虎姉が始めたんだけど、今はあたいが受け継いで、虎姉の時よりもっともっと強く育ててるんだぜ!」
虎姉・・・・飯富虎昌という。本作では未登場。
「・・・・虎姉?」
「あたいの姉ちゃんだぜ。今はお屋形様から信濃の内山城を預かっているから、躑躅ヶ崎の赤備えはあたいが引き継いだんだぜ」
内山城・・・・信濃佐久郡に築かれたお城。
「粉雪、お姉ちゃんがいるですか?」
「ふふん。うらやましいだぜ?」
「綾那、一人っ子だからうらやましいですよー」
「ふーん。だったら、あたいが姉ちゃんになってやってもいいんだぜ?」
「おいおい。そんな簡単にできる訳ないだろ」
「そういう話を聞くと、ちょっと放っておけないんだぜ」
「いいですかっ!」
綾那も簡単に乗るのかいっ!
「おう!任せるんだぜ!」
「
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