二十二章 幕間劇
赤×赤
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武田四天王や夕霧たちも猛者ではあるが、強化版の鬼かドウター化した鬼であればいくら武田の者でも倒せることは不可能に近い。
「・・・・二人は何か聞いていないのか?」
「あたい達もまだなんだぜ。な、ここ」
「ええ。恐らく、下山城のある身延道沿いではなく、右左口峠側の周辺から侵入してきたのだとは思いますが・・・・」
「うばぐちとうげ、ねぇ」
通信機からの新たな情報によると、強化版の鬼が多数いるとのこと。今はまだ待機中だが、俺の命で出撃可能とのこと。心と粉雪も知らんとなると、残りの武田四天王か光璃たちが来るまでは俺以外の者たちは不明という訳か。
「兄上、皆様がた。お呼び立てして申し訳ないでやがります」
「で、鬼の状況は?こちらで掴んでいる情報はあるけど、まずはそちらから」
「さすが兄上でやがりますな。物見から報告が入ったでやがります。数は十匹程度で、どれもいつもの鬼のようでやがりますが・・・・」
「下山城が抜かれたのですか?」
歌夜の問いに、夕霧は首を横に振りつつ、抱えていた大きな地図を広げて見せてくる。
「今回の鬼は下山ではなく、こっちの右左口峠付近の山中を抜けてきやがりますよ」
地図に描かれているのは、駿河と甲斐の国境辺りの様子だな。
「先ほど心たちが言ってた道か・・・・」
駿河から甲斐に向かうにはいくつかのルートがあるが、下山城が守っているのは、駿河から甲斐の直通の川沿いルートの方だ。今回鬼達が通ってきたのは、その東側。富士山の西側の裾野を抜ける山沿いルートからだった。
「鬼も道沿いに来るですか?」
「道を歩く訳ではありませんが、あの巨体で猿や狼のように身軽に山中を抜けるという話はあまり聞きませんね」
鬼はもともとの素体が人間だ。動物は獣道を作るくらいだし、鬼が歩きやすい経路を選択をしたとしても不思議な事ではない。
「それに、道沿いには宿場町もあるんだぜ」
「歩きやすい道があって、獲物のいる集落も近い、という事ですか・・・・」
鬼が道沿いに動かない理由もないな。
「今は日が出ているから、動きは鈍いようでやがりますが・・・・日が沈めばすぐに動き出しやがるかと」
本格的に動き出せば、右左口路の宿場町に辿り着くという事だが。トレミーからの情報もそこまでは同じ。
「そういえば、今日は光璃様や春日さん達は?」
「姉上と薫は、春日と兎々を連れて諏訪に出掛けてやがりますよ」
「なるほど。だとすれば、今いる手勢で何とか撃退するしかないわけですね」
「でやがります。兄上・・・・」
「そこまで言わなくても分かっている。俺も出るし、今回の鬼は強化版の鬼もそうだが推測としてあれも出るかもしれない」
あれ、というと一真隊と
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