二十二章 幕間劇
一真隊及び黒鮫隊の指揮系統
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んとはどういう意味?」
「うろんとは漢字で表すと胡乱と読みます。意味としては、怪しくて胡散臭い者という意味です。それと先ほどの蹴りを片手で受け止めるとはさすがです」
なるほどな。胡乱とはそういう意味なのか、ん?待てよ。俺が胡散臭い者というのであれば、神仏そのものを胡散臭いと言っているようなもんなのでは?
「ええい、とにかく、まら兎々は織斑一真の事を認めてなんかないのら!ちょいやー!」
「たく。いい加減して欲しいが、ちょうど良かったから受けて立とう。うおりゃーーーー!」
「・・・・まったく。何をしていると思えば」
「これは春日様」
「ああ、構わぬ。お主も一真隊の一員なのだ、そう畏まられるとこちらが気を使う。まったく。拙の話の途中でいきなり飛び出していくから何事かと思えば・・・・」
「何か御訓示を?」
「ああ。次の戦いは今後の武田の趨勢を決めるろ言っても過言ではあるまい。故に、しかと心構えをしておかねばと思っただが・・・・」
「それは確かに・・・・」
「効かんわ効かんわ、小娘!」
「ちぇいやー!」
「ご主人様・・・・」
「心配ない。ちゃんと手加減するさ」
「確かに良人殿は加減をしておる。・・・・兎々は後で説教だが」
とまあ俺と兎々は遊び半分で、組手というか認めるまで勝負をしていたけど。
「・・・・時に小波とやら」
「はっ」
「お主は松平から良人殿の所に出向いておると聞いた」
「はい」
「そのお主から見て、武田の草はどう見る?」
「・・・・問いの意味が分かりかねます」
「言葉通りの意味よ。・・・・草同士の競い合いで、我らに勝てるか?」
「主の命とあらば出し抜く方法も考えますが、正直、正面から当たりたくはありませぬ」
「・・・・それは本心か?」
「我が主は、生き残る事が第一だと自分にお命じになりましたので、しかし私よりも黒鮫隊の方が武田の草より勝っているかと」
「それは良人殿らしいが、どういうことか?武田の草より良人殿の直属部隊の方が勝るとは?」
「例え気配を消していようが、姿を消していようが、ご主人様の部隊の者たちはすぐ見つけてしまうほど厄介な部隊です。それに情報収集も武田より勝っています」
と小波と春日はそう話していたようだが、本当なんだよねー。サーモグラフィーで見つけることもあれば、人を探査できる機器や発信器を付ければどこにいようが分かるようにしてある。と、そろそろこちらとしてはクライマックスになっていた。俺が挑発としてこっちに来いという手で招いて来ては、紙一重で躱す。攻撃はしないで。俺と兎々の身長差はあるが細かい動きは兎々よりも勝っている。
「むーっ。れっかいくせにちょこまかと!」
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