二十二章 幕間劇
陽だまりスケッチ
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してるでやがりますか?」
動いてもいいと言われて、夕霧は立ち上がると薫のところに駆けていく。俺はゆっくりと歩いて行くが。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「こ、こんな顔でやがりますか!?」
夕霧の後ろから薫の手元を見れば、そこには俺と、その脇ではにかみながら微笑んでいる夕霧の姿があった。
「前のよりずっといい笑顔だよ!」
「うぅぅ・・・・・夕霧がしてた顔は、これじゃないでやがりますよ・・・・」
「俺が撮った写真でもそう言う風な顔になっているが?それに可愛いと思うし」
先程の絵も自然な微笑みだったが、今回の方がもっと可愛らしいと思う。というかキリッとした顔は夕霧じゃなくて俺だったけど、なかなか上手いな。
「あ、兄上まで・・・・」
「けど、動かないままというのも、結構大変なんだな」
「ごめんね、お兄ちゃん」
「いやいいよ。経験にはなったことだし、夕霧の笑顔もたくさん撮れたし」
と何枚か写真を薫に見せたら、絵の通りになっているし色も付いていると絶賛だった。そしてまた何か作ってくるといって離れたら、姉妹だけの会話があった。なので聞きながらトレミーのお菓子を作るところで、作っていた。
『・・・・薫』
『なあに?』
『夕霧は、そんなに働き過ぎでやがりますか?』
『うん』
『即答でやがりますか・・・・』
『身体を壊すぐらいならまだマシでも、戦場で無理をして何かあったらと思うと。夕霧お姉ちゃんがいなくなるのは嫌だよ』
『その気持ちは嬉しいでやがりますよ。でも、夕霧も皆の笑顔が見たくて、色んなことをしてるでやがりますよ』
『それは分かっているけど・・・・』
『・・・・夕霧は幸せ者でやがりますな。・・・・今日の薫の絵・・・・夕霧はホントにこんなにだらしがない感じに笑っていやがったでやがりますか?』
『すっごく可愛い笑顔だと思うけど・・・・そんなに嫌だった?』
『薫の描きやがった絵でやがりますから、嫌ではないでやがりますが・・・・』
『・・・・お兄ちゃんと一緒にいる時の夕霧お姉ちゃん、とっても楽しそうだよ?』
『あ、兄上は関係ないでやがりますよ。それに一枚目は、兄上が来る前から・・・・』
『・・・・顔の所を描いたのは、お兄ちゃんが来てからなんだけどなー』
『・・・・・・薫は、兄上の事をどう思ってやがりますか?』
ほう。俺の事ね〜、どう思っているのかは俺がいないと話せない事だな〜。
『・・・・光璃お姉ちゃんには内緒だけど・・・・お兄ちゃんじゃなかったらなーって、ちょっとだけ思っているかも』
『・・・・姉上には聞かせられないでやがりますな』
『でもそれは、
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