二十二章 幕間劇
陽だまりスケッチ
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というが見本にはならないと思う。
「みんなそんなに夕霧のことが信用できないでやがりますか・・・・?」
「うん」
「夕霧ちゃん働き過ぎだよ」
「俺もそう思う」
「あぅぅ・・・・」
ホントに皆からも、働き過ぎだと思われているようで。とにかく休めと、そう言い残して光璃はどこかに行ってしまったわけだ。
「さてと、今度は何しようか?」
「夕霧はもう一枚描いて欲しいでやがりますよ」
「夕霧ちゃん。さっきの絵・・・・そんなに気に入らなかった?」
「そ、そういうわけじゃないでやがりますが・・・・。夕霧としては、もう少しキリッとして顔のもでやがりますな・・・・」
相当気にしているようだ。
「ふふっ。いいよ。じゃ、もう一枚描くね」
「頼むでやがりますよ」
夕霧も薫に絵を描いてもらうのがホントに嬉しいのか、さっきと同じように機嫌良く床几に腰を下ろしてみせる。
「今度はお兄ちゃんも一緒に描いてあげようか?」
「ふぇっ!?」
「俺?それは別に構わんがいいのか?」
「いいよ。同じ構図になるより、面白そうだし」
「あ、あの・・・・ちょっと、薫・・・・!?」
「夕霧お姉ちゃんはお兄ちゃんと並ぶの、嫌?」
「い、嫌ではないでやがりますが・・・・」
「別にくっつくとか抱き合えとかじゃないだろうに。緊張しなくてもいいもんなー、薫?」
そう言ったら薫はうんうんと頷いて、夕霧は緊張などしていないというが、してるじゃんと言いたそうだ。で、俺は夕霧の脇に立った。
「こんな感じか?」
「・・・・・・・」
薫はさっきと同じところで腰を下ろして、しばらく真剣にこちらを眺める。
「うーん。やっぱり、もうちょっと近付いてみて?」
「じゃあこのくらい?」
真後ろに立っているのも面白くないから、家族写真のように並んでみた。夕霧のすぐ脇に位置を変えてみる。
「うん。そんな感じ」
「ち、近いでやがりますよ・・・・!?」
「これぐらい慣れろ。これくらい普通だと思うんだが、薫はどう思う?」
「そのくらいが普通だよー。それを言うんだったら、さっきご飯食べていた時の方がよっぽど近かったよ?」
「それはそうかもしれないでやがりますが・・・・ううう・・・・」
「じゃ、しばらく動かないでねー?」
「うううう・・・・・・」
しばらくして立っているが、夕霧はそれしか言わないかのように微妙な顔をしている。そして描き終えたのか、出来上がったようだ。
「・・・・うん。こんなものかな」
「もう動いていいでやがりますか?」
「うん。お兄ちゃんももう大丈夫だよー」
「はいよー」
「今度はちゃんとキリッと
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