二十二章 幕間劇
陽だまりスケッチ
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
・・・・・?」
「そう?とってもいい笑顔で描けたと思うんだけど・・・・。お兄ちゃんはどう思う?」
「どう思うって言われても、自然的な笑みでよく描けてると思うが?」
三人で話している間は、ずっとこんな感じな柔らかい表情を浮かんでいたし。薫の筆遣いはなかなかなもんだと思う。
「うぅぅ・・・・」
「・・・・こんな所にいた」
「あ、お姉ちゃん!」
俺達の所に現れたのは、小さな包みを下げた光璃だった。
「一真も一緒?」
「まあな。夕霧と薫の様子見を、今日は休みと聞いたんで」
「何かご用でやがりますか?姉上」
「用兵の検討。一門衆を使いたい」
「え、お姉ちゃん・・・・・!?」
「ほほぅ。いいでやがりますよ!すぐに指揮を取るでやがります!」
「・・・・・・・・めっ」
光璃はそう小さく呟くと、元気一杯に答えた夕霧の額をちょん、とつついてみせた。
「・・・・は?え?」
「ははははっ!引っかかった引っかかった!」
何が起こったのか分からない夕霧は、光璃を見つめたままぽかんとしているけど。俺は爆笑中で、事態が飲み込んだ薫もクスクスと笑いだす。
「用兵の相談は嘘」
「う、嘘ぉ・・・・!?」
「夕霧がちゃんと休んでるか、見に来ただけ」
「あ、姉上・・・・ひどいでやがりますよ」
「おかしいと思ったよ。夕霧ちゃんが今日はお休みするの、お姉ちゃんは知ってるはずなのに・・・・何でお仕事の話を持ってくるんだろうって」
「夕霧は黙ってたら、いつまでも働いている」
「そ、そんな事はないでやがり・・・・ますよ?」
「さっき引っかかったばかりなのに?」
「うぅぅ・・・・兄上まで、酷いでやがります」
「上に立つ者は当たり前のように心配するのは当然の事みたいに、下の者たちも心配すんだよ」
光璃の心配は無理もない。休みの日だって、俺らを甲斐案内してくれたり、他の細かい仕事をしたりと、夕霧を見かけるとたいていは何かをしているからな。
「休めるときは、休み。夕霧はだいじ」
「そうだよ。薫も夕霧お姉ちゃんに倒れたりしてほしくないもん」
「姉上・・・・。薫・・・・」
「それで、何してた?」
「そうそう。お姉ちゃん。夕霧お姉ちゃんの絵を描いてみたんだよ。どうかな?」
「・・・・・」
「夕霧はもっとキリっとしていると思いやがりますが・・・・」
「夕霧お姉ちゃんはああ言ってるけど、今までで一番上手に描けたと思うんだけど」
「いい笑顔」
「だよねー?」
俺に聞かれたが、答えは一つだけだった。良い笑顔と言ってやったから、賛成派が三人いる。幸せそうだと言った光璃に薫はうんうんと頷いていた。一
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ