二十二章 幕間劇
陽だまりスケッチ
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かった。まあ娘の深雪も成長は早いが、思い出の写真という風にこちらに送ってくるデータ。
「ほら。夕霧お姉ちゃん、じっとしてなくちゃダメだよー」
「あぅぅ・・・・。何だか兄上にも見られるの恥ずかしいでやがりますよ・・・・」
「そういうのであれば、俺は離れるが。離れた方がいい?」
「別に離れなくても大丈夫だよ。夕霧お姉ちゃんも、そのうち慣れるって。ね?お姉ちゃん」
「うぅぅ・・・・そんな事ないでやがりますが・・・・。薫がいいって言うなら、いいでやがります・・・・」
「ふむ。そうおすましして座っているのも、雰囲気が違うから可愛く見えるなー」
「ふぁっ!?あ、兄上っ!?」
「そうだよねぇ。ほら、夕霧お姉ちゃん、動かないでって言っているでしょー?」
「わ、分かってやがりますけど・・・・・ぅぅ・・・・」
薫の言葉に何か諦めたようで、夕霧は床几に座り直す。俺はそうだと思ってデジカメを取り出す。そして何枚か写真を撮ったけど。
「その絡繰りみたいなのは何なの?お兄ちゃん」
「これは一瞬で撮れる写し絵を記録する物だよ。ほら、ちゃんと絵の通りに写っているだろ?」
と言いながらも、薫は絵を描いている。こちらは数枚撮ったあとに、データを俺のパソコンに送った。たまに撮れば。フォルダに入れている。
「これもそうだが、その絵は夕霧の感じが出ている」
「ふふっ。そうかな?」
「元々薫は戦よりも、書画や料理の方が好きでやがりますからな」
「乱暴な事が好きじゃないだけだよ。・・・・あ、別に夕霧お姉ちゃんやお兄ちゃんの事が嫌いな訳じゃないからね?」
「それは十分承知しているさ、なあ夕霧」
「もちろんでやがります。薫はそのぶん、姉上に内政で助言してるでやがりますから、得意な事を伸ばせばいいでやがりますよ」
正面から言われているが、次の川中島は薫も参加することになる。まあ薫が協力するのなら、別に構わないし守るだけだ。光璃は表情や言葉で読み取る事ができるが、俺みたいに色んな事を知っているのは、読み取ろうとしても無理。今回の戦いはこれからの甲斐にとっても大事な事だと分かっているようだし。そういうのをぼちぼちと考えながら話していると。
「できた!夕霧ちゃん、もう動いても大丈夫だよ!」
ようやく動いていいと言われたので、夕霧は立ち上がり薫のところへやってくる。
「ほほぅ・・・・どうなったでやがりますか?」
絵の出来映えが気になるようで、夕霧は俺の脇から薫の手元の紙を覗き込む。
「えっ。ちょっと、なんで夕霧がこんなニヤニヤ顔になってやがりますか!?」
「ニヤニヤ顔って・・・・こんなに可愛いのに?」
「うぅ・・・・もっとキリっとした顔をしてたでやがりますよ
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