二十二章 幕間劇
光璃の気持ち
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「も、申し訳ないでやがります!夕霧はお邪魔だったでやがりますな!」
今の状態は俺と光璃が手を握っていたとこだったので、手を離すと慌てるのは光璃ではなく夕霧の方。
「いやいやいや。姉上と兄上は既に恋人同士でやがりますから、手を握ったところでなんというわけでもやがりませんよっ!」
「うん・・・・」
「それはそうだが、他の奴らに見られると色々とまずいことになる。例えば俺の妻たちに」
と言ったら納得はしたようだった。まあ手を繋ぐだけでも別にいいことだが、いつも一緒にはいられない俺の妻たちにとっては面白くないから。
「俺らに何か用でもあったか?夕霧」
「そうそう。海津から一徳斎殿の第二報が来たでやがります」
「何と?」
「概ねは変化無しの報でやがりましたが・・・・兄上が気にしてやがった、松平の旗印はやはりないでやがりました」
「・・・・そうか」
「松平・・・・」
「何か気になる事でもあんの?」
「・・・・今はまだ」
「そうか。で、どうする?躑躅ヶ崎館に戻るか?」
「もう少し、ここにいる」
第二報は特に大きな動きもないし、予想通り松平のはないというのは前々から知っていた。まあこちら側に方針は変わらないだろうし、こちらには空から監視をしているからいつでも情報が聞けるが、今は知らせない方がよさそうだ。
「何なら俺もここにいる?夕霧は」
「用が済んだから、夕霧は戻るでやがりますよ。二人の邪魔をして馬に蹴られるのはまっぴらでやがりますからな!」
「ゆ、夕霧・・・・」
「それなら、夕霧の好意に甘えさせてもらうか」
「一真・・・・」
「こういうときに恥ずかしがったら負けだよ、光璃」
「・・・・・・」
「行こうか、光璃」
「・・・・・うん」
光璃にそっと手を握ろうと伸ばせば、小さな手が握る返すのが分かる。
「兄上、姉上・・・・」
「もう少し歩くか」
夕霧に見送られてもあまり恥ずかしくはないけど。俺と一緒ならどこでもいいと言ったので、もう少し歩いてみたりした。
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