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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
二十二章 幕間劇
光璃の気持ち
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から知ったが美空の言う通りではなく素敵な女の子だと知れたのだから」

「・・・・・・・」

「で、美空は?俺は味方にしたい敵で、美空は味方にしたくない敵、だろ?」

「・・・・(コクッ)織田も今の所、後」

久遠も後か。でも美空とは違う理由だとは思っているが。

「久遠とは実際に会ってみないと分からんだろ?」

「・・・・信長は分からない。でも美空とはもう会った。だから、後」

「そういえば、随分前に会っているんだよな。川中島で」

「戦いぶりは凄い。越後を治めるぶんには、構わない。でも味方にはしたくない」

ふむ。敵としても味方としても考えたことはあると、残りとしてはあれしかないか。

「では、俺の妾同士としては考えたことある?」

繋いだ手を少しだけ強く握る俺の問いに、光璃はこちらを不思議そうに見ているだけ。

「光璃も美空も、今はどちらも同じ妾である。そういう立場で考えた事はある?」

たっぷりと考え込む光璃。そしてその答えを待つ俺。やがて、光璃の口から出た答えは。

「・・・・・・ない」

「何ならさ、そこを見ずに一緒に戦いたくないのは急すぎる」

「それは、一真の望み?」

「今はな。鬼と戦うためにその先に平和な世を作る気あるんなら、さっさと仲良くなれと思いたいよ」

「平和な世・・・・」

「織田、足利、松平、今川、浅井・・・・それと長尾、武田。今はこれだけの同盟が組まれている」

「まだ長尾と組むかは、分からない」

光璃自身もまだ迷っているのだろう。人は悩んだあとに結論を出す、今繋いだ手は中途半端な状態にはなっている。

「仮にこの勢力が、戦いが終わった後も仲良くできたらそれは素敵な事だとは思わないか?」

「仲良く・・・・」

「戦もなくなれば、あとは技術や物、人だってやり取りができる。例えば、越後の塩だな」

「塩・・・・」

「それにだ、尾張や三河の米だって、堺の南蛮の品だって今までよりもっと楽に甲斐に入ってくるさ。三河だと、ここみたいに氾濫する川を治めたと聞く」

「・・・・出来るの?」

「出来るさ。松平は違うが、皆家族同然と思っているし。黒鮫隊の技術を使えばもっと楽になる」

「家族・・・・」

「光璃が夕霧や薫と接するみたいに、他の国とも接すれば、簡単にできると思っているよ」

「・・・・・・」

「まあ今はその前に鬼退治が待っているけどな」

今の俺達で出来ることは、鬼を退治する事。それ以前に今出来る事を考えるのみ。こうやって話せば人の心は分かるもんだからな。

「あ!姉上!兄上ー!」

「夕霧?」

「どした?」

「あ・・・・・」

夕霧の顔を見るが、なるほどそういうことか
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