二十二章 幕間劇
光璃の気持ち
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代の者たちは、というより偉い者たちはそういう癖付いているのか?だったら大問題だぞ。
「それほど遠くに行くわけではありませんから、心配するほどではありませんけど。多分お庭か、城下にでもいらっしゃるかと」
「でしたら、私たちのお頭に比べれば随分とマシですね」
「ちょっとそこまでで、京や長久手や下山、それと遠くて神界に行かれる方ですもんね」
「否定はしない。が、勝手には行かないぞ」
京の件は久遠のせいだが、長久手や下山は俺の意思で行ったのだから反論はしない。神界や冥界は、たまに呼ばれるからそこはしゃあないと思うが。
「その辺を探してみるとしよう。もう少し探してみるわ」
と言ってからこの場を去った後に庭に行ってみると声が聞こえる。これは粉雪と綾那の声か?随分と気合を込めた声のようだが。
「お、やってるやってる」
「一真様!」
「おう、良人殿か。このような所で何を?」
「何?随分と気合の声を入っているから、見に来ただけなんだが。あれはただの稽古には見えないような気がする」
綾那がやっているなら当たり前ではあるけど、二人の気合の入れ方が違う気がした。
「はい。だいたいお分かりだとは思うんですが・・・・綾那が、三河武士の実力を見せてやるって言い出して」
そういえばあの時の軍議でも武田家は三河をスルーしていたからか、凄く気にしていたからな。
「うむ。別に無視していたわけではないのだが、それにあやつが売り言葉に買い言葉で・・・・というか」
「・・・・ご覧の通りです」
だいたい分かった。粉雪の性格ならその展開は簡単に想像がつく。
「なかなかやるじゃねえかちっこいの!けど、あたいの本気はまだまだこれからだぜ!うおおおおおおおおおっ!」
「そんなの綾那も一緒なのです!やっと身体が温まってきた所ですよ!うりゃあああああああああああっ!」
「一真様。今日はお止めにならないのですか?」
「こんなのガキのじゃれ合いだし、二人とも加減が出来そうなもんだろ。それに殺気が一切籠っていない、となると森親子曰くガキのじゃれ合いだろうな」
「なるほど。少し観察しただけで、そこまで理解されているとは。慧眼恐れ入る。まあ本多家の者であるなら、見定めるには丁度良い相手であろう。三河武士の実力はあまり見ていないのが事実」
綾那は三河武士の中でも特に三河武士の特徴とぴったりだからな。
「それに本気の仕合ともあれば、俺が一瞬で止めているよ。それより光璃知らないか?心からだと庭か城下と聞いたのだが」
ここに来るまで庭にはいないし、風の精霊にもいないと聞いた。
「ここにはおらぬから、恐らく御勅使川の河原であろう。考え事をされる時は、よくその辺りを散歩なさるからな」
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