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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
43.無知なる神意
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胸をなでおろす柚木に若干の疑問が浮かんだ。
やはり追求するか、と思った瞬間にだった。
「じゃあね、彩斗」
タイミングを見計らったように柚木と別れる道へと差し掛かった。
彼女はこちらに手を振って急ぎ足で帰路へとついていった。
強烈な魔力な波動がぶつかり合い大気を激しく震わせる。
それに耐えるだけでも姫柊雪菜は必死だった。これほどの威力で激突し合っていることでいつこの十三号
増設人工島
(
サブフロート
)
沈むかわからない。
この島が沈めば雪菜も片世董香もただではすまない。
向こうで激突し合っている第四真祖と“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”たちも無傷ではいられないだろう。だから雪菜は早く古城の元へと向かわなければならない。
彼は一人にしたら何をしでかすかわからない。
だが、董香の意思は固い。彼女を止めるには、倒さなければいけない。
しかし、雪菜では彼女を仮に倒せたとしても古城の元へと向かうことはできない。
その刹那。董香が雪菜の迷いを察知したのか一気に距離を縮める。
しまった!、と思った時には彼女はすぐ目の前まできていた。もはや防御も回避も受け流すこともできない距離だ。
せめてもの抵抗で身体の向きをわずかに横にして直撃を急所から逸らす。
「若と───ッ!?」
彼女の掌底が激突する寸前。雪菜との間の空間が切断された。
董香はギリギリでそれを回避し後方へと飛び退いた。
そして雪菜の前に現れたのは、銀色の長剣を握りしめている長身のポニーテールの少女だった。
「大丈夫だった、雪菜!」
「さ、紗矢華さん!?」
突如として現れた獅子王機関の舞威媛、煌坂紗矢華に驚く。
「どうしてここにいるんですか?」
「雪菜や暁古城と同じよ。南宮那月に呼ばれたの」
那月が言っていた動いている奴というのが紗矢華も含まれていたようだ。
長身の少女は、“煌華麟”を今一度強く握りしめると少し離れた場所にいる董香を睨む。
「彼女は私に任せて雪菜は暁古城の元へ向かって」
一呼吸置いた後に雪菜は深く頷いた。
「わかりました。気をつけてくださいね、紗矢華さん」
雪菜は古城の元へと走り出した。
その瞬間、先回りした董香が雪菜の前に立ちはだかる。しかし、銀の刃が空間を断裂させて彼女の行く手を拒んだ。
「あなたの相手は私よ」
紗矢華に止められた董香は大きく舌打ちをして睨みつけている。
そして雪菜は古城の元へと一刻も早く行くために駆ける。
「……待っててください、先輩」
十三号
増設人工島
(
サブフロート
)
でぶつかり合っている魔力を“戦王領域”の貴族が放っておくわけもなかった。
第四真祖と“|神
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