暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
43.無知なる神意
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「はい。そうでした」
はっきりとした口調で夏音は言った。
ニーナがわずかに眉を動かした。
「
主
(
ヌシ
)
が行ってもできることなどない」
キッパリとニーナは言い放った。
確かに夏音にできることなど何もないかもしれない。それでも彼の力になりたいのだった。
宿泊研修のフェーリーの上でも結局夏音は何もできなかった。彩斗は夏音の血で起きたのではなく逢崎友妃のピンチで目を覚ました。
だから、今度こそ力になりたいのだ。
「それでも行きます」
「夏音の気持ちはわからないわけではない。じゃが
主
(
ヌシ
)
は行かせるわけには行かぬ」
「………」
声が出なかった。
ニーナがここまでしても止めるなら行かないほうがいいのかもしれない。しかし彩斗を助けたいという気持ちもある。二つの気持ちのどちらを優先していいかわからなくなった。
ニーナはそんな夏音に優しい声で語りかけるように言う。
「彩斗からの言伝だ。晩飯までには帰る、と」
その言葉に夏音は自分がやるべきことがわかった気がした。
今やるべきことは彩斗を信じて待つこと。
彼は嘘をつかない。
だったら彼の言葉を信じなければいけない。それが今の夏音にできることだった。
「わかりました。私は待ちます」
「すまぬな、夏音。あやつが帰ってきたらうん〜とわがままを言うてやろう」
「はい、でした」
夏音は魔力がぶつかり合う方を向き強く拳を握るのだった。
紅く染まった太陽の光が教室を照らす。
授業も終わり生徒たちは教室を後にしていく。帰路につく者もいれば、これから遊びに行く者、部活動に行く者など様々だ。彩斗もさっさと帰路についているところなのだが、教室に残って箒で床を掃いているのだった。
「なんで俺がこんなことしなきゃいけねぇんだよ」
箒に体重をかけて愚痴をこぼす。
「それは彩斗が授業中にずっと寝てたからでしょ」
窓際の彩斗の席の机の上に座っている柚木が愚痴に応える。
「眠いんだからしゃあないだろうが。そもそも授業っつうのはどれだけ生徒にわかりやすく伝え、なおかつ眠気を誘わせずにやるかが教師の腕ってやつだろ。それができない時点でダメな教師なんだよ」
「そんな屁理屈言ってないで早く掃除をやれよな。俺も早く帰りたいんだよ」
同じく教室を掃除している倉野木綾だ。
こいつも彩斗と同じように寝ているところを見つかり帰りに掃除をしろ、と言われた一人だった。
全く、最前列で寝るからそうなるだよ、と言ってやりたいところだったが、綾の意見もごもっともだ。
「へいへい」
空返事をして箒で目視することができないチリを集めていく。
「そういや、志乃の
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