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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
43.無知なる神意
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月日の流れとは案外早いものだ。とはいっても体感時間は人それぞれに異なるのでこれまでの月日を長いと思う人もいれば、短いと思う人もいるであろう。
緒河彩斗にとってはこの半年間はとても短く感じることとなった。
中学二年生は、中学三年生のように高校受験に追われるでもなく、中学一年生のように初めてのことに緊張するでもない黄金の時期ということで体感時間が早く感じるのも無理はない。
だが、授業というのは体感時間に関わらず、長く感じるものだ。本日もとてつもなく怠惰な授業が始まろうとしていた。
高校入試は、三年間の成績が影響するから気を抜くなというが未来のことなどどうなるかわからない。突然、高校入試がなくなることもあるかもしれない。事故を起こして入院して試験を受けられないかもしれない。
つまり未来とはわからないのだ。だからこの授業で寝てもそんな問題がない未来にかけて彩斗は眠りに着くのだった。
陽射しが机に突っ伏している彩斗の後頭部へと降り注ぐ。そろそろ冬季も近いということで太陽は低くなっており、それが暖房が行き届いてない窓際の一番後ろには程よく暖かくさらに眠気を加速させていく。
「いつも眠そうだね」
隣の席の少女が小声で呟いた。
突っ伏していた顔をわずかに傾けて隣の席を睨んだ。机の上に置かれているノートに黒板の内容を写している髪を左側で縛った少女だった。
「睡眠こそが人間に最も大事な欲求であって、それを邪魔することはしてはならないんだ。よく覚えておけよな」
「そう言いながらテスト寸前になると私にノート見せてくれ〜、てすがりつくのやめてもらえれば、私も彩斗の睡眠の邪魔なんかしないよ」
こちらに一瞥もせずに未鳥柚木は黙々とノートへと写している。
下を向いていたせいか横髪が重力に従って垂れ下がる。それを彼女は耳へと掛け直す。
その仕草にわずかにドキッとした彩斗であったがそれは眠気に勝てるほどではなかった。
「ほら起きろ、彩斗」
席が近いことをいいことに柚木は彩斗の脇腹をペンで突っついてくる。
気持ち悪い感覚が身体へと襲ってくるがその程度で起きるほど彩斗の睡魔は弱くはなかった。
そのあと何度もちょっかいをかけてきた柚木だったが彩斗は一行に起きない。
はあ、と小さなため息が聞こえたかと思うと彩斗へのちょっかいが止んだ。どうやら諦めたようだ。
そして彩斗は深い眠りへとつくのだった。
次に彩斗が目を覚ましたのは授業の終わる寸前だった。
黒板には、彩斗が知らない内容で埋め尽くされていた。今から書き写せといっても確実に不可能な量だ。
諦めを気して窓の外へと視線を移した。寝起きの目に容赦なく太陽の殺人光線が降り注いでくる。
しかし今の彩斗にはいい眠気覚ま
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