暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府にガンダム(擬き)が配備されました。
第1部
第10話 激闘、横須賀沖迎撃戦〜其ノ壱〜
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
8月22日 PM10:45
横須賀鎮守府


満月の登る、雲一つない満点の星空の下。
純白に飛竜の紋章を掲げる巨大な軍艦…リンドヴルムが、横須賀鎮守府の埠頭から短い旅路へと旅立たんと、機関を唸らせる。



「手空き総員、整列ッ?? 頭ァー、右ッ??」

右舷第1カタパルトに集まった兵員が右手を向いた。

「帽振レーッ??」

一斉に被っていた帽子を大きく振る。
陸地や繋留されている艦艇上から見送りの兵士達が、声を張り上げて精一杯帽子を振って応えてくれた。

「直レッ?? 総員、配置に戻れッ??」

号令を掛けると、リンドヴルムの兵員が駆け足で艦内へ戻って行く。
それを見ながら、俺…神宮司一葉はタバコを取り出して火を付けた。

「准将閣下」
「ん? …ああ、晴子姉さん」

カタパルト上を走り回る整備班の中で一際目立つ日本海軍の軍服を着こなす少女……柏木晴子少尉が直立不動の姿勢で敬礼していた。
親父…神宮司定晴が学長を務めた士官学校の最初で最後の1期生だ。

「あははは…なんだか、とんでもない再会になっちゃったね……」
「全くもってね……」

戦術アドバイザーとして海軍士官が乗り込むのは知っていたが、まさか晴子姉さんだとは予想出来なかった。
晴子姉さんはほんの少しはにかみながら頬を掻いた。

「……勝てると思う? この海戦」

1士官の顔に戻った晴子姉さんは厳しい視線を沖に向けた。
単艦で大艦隊に仕掛ける今作戦に、不安があるようだ。
それも致し方ない事だろう。

「宇宙世紀の艦艇は…いや、このリンドヴルムは姉さんが考えてる程柔じゃないよ。
ミノフスキー粒子が連中の機能を無力化する℃魔ェ分かった以上、俺たちにも勝機はある。
奴らに俺達の兵器が最も有効なら、MSは奴らにとって最大の脅威になる。
奴らに、深海以上の地獄を味合わせてやるさ」

夕呼の上げてきたレポート……俺達がこの世界に来てから初めて戦った、戦艦棲姫達の戦闘時の報告書。
其処には、様々なミノフスキー粒子の隠された効果が示されていた。

中でも顕著だったのは、霊子結合の阻害と弱体化。
深海棲艦と艦娘の用いる霊子を一時的にではあるが、機能不全を起こさせる事が判明した。
つまり、深海棲艦の圧倒的な自己修復機能を無力化出来る様になった訳だ。
ミノフスキー粒子の接している部分に限定……つまり、今大幅に普及しているホプキンス効果によって威力を高めるHEP弾ではなく、AP弾などの貫通式の弾頭なら高い効果が望める訳だ。

また深海棲艦の霊子装甲の強度を著しく弱体化させる。
卓上の見解だが、各国のミサイル駆逐艦などに搭載されている76mm速射砲の威力でも、軽巡クラスまでなら充分撃破可能となった。
更に深海棲
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ