紅霧異変
Part9 霧雨魔理沙と・・・
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りして?」
俺では無く携帯の才能だがな、と小さく呟く。
だが、と言葉に付けたし、魔理沙は言葉を紡いだ。
「だけど、残念だったな」
魔理沙は動きを封じられた状態で、なお勝ち誇った表情でそう言う。
いま俺は移動距離を無くしている。そのせいで魔理沙は動けないはずだ。どう考えても、俺に危害を加えることは不可能の筈・・・。
だというのに、魔理沙の表情は変わらない。
ハッタリか何かか?
「なあ、私達が息を出来たり、そもそも会話出来てる時点で『全ての移動距離を無くしている』って事は無いよな?そんなことされたら、酸素が肺まで回らなかったり、空気が振動しなかったりするもんな」
・・・確かに、俺の0にしたものは『魔理沙の移動距離のみ』。他は動く。
だが、それがなんだと言うんだ?
「つまり、だ。私は固定されていても、私から放たれた魔力はどうなるんだ?」
ゾッと、背筋が凍った。
そして気付いた時にはもう遅い。
爆発音は下から聞こえてきた。
青い爆発が真下から廊下を破壊して俺を飲み込んでいく。動けないから逃げることすら出来ない。
対して、魔理沙は空中で止まっているから廊下の下に落ちる事は無い。
咄嗟に能力を使い、『耐久力を100』にした所で、俺の肉体は瓦礫に押しつぶされた。
「お前と私じゃ、経験が違いすぎるぜ。注意力+判断能力、この二つを鍛え上げることをオススメするぜ」
そう言うと、魔理沙は全速力で飛んでいった。
追いかけるために瓦礫の中から這い出ようとするが、いかんせん力が足りなくて動けない。
「耐久力の方に能力を割いたせいで逃げられたか・・・まあ痛い目みるよりは、こっちの方が楽だったのかな?」
とりあえず出るために、『破壊力を100』にして体を小さく振動させた。
俺を押し潰していた瓦礫の全てがバラバラに砕け散る。
立ち上がって辺りを見渡し、誰もいないことを確認する。
「さーて、誰もいねェみたいだし、部屋に戻るか」
そもそも俺は戦闘などしたくないのだ。むしろ、絶対に負ける戦なんて誰がしたい?
砕け散った瓦礫を見ながら、バレずにサボる方法を考える。
(もしサボっている事がバレたら即終了。そうだな、部屋に篭って包帯を全身に巻いとけば、なんとか誤魔化せるか?)
とすれば包帯を入手しなければならない訳だが・・・。
「よし、『包帯との距離を0に』!」
瞬間、場所が切り替わった。
先程まで廊下にいた筈の俺の体は、いつの間にか倉庫のような場所に移動していた。
そして目の前には、俺の目標である包帯がある。
「よし、これでーー」
「これで、何かしら?」
包帯に伸びていた腕が止まった。何か、殺気にも似
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