神風と流星
Chapter1:始まりの風
Data.6 赤黒龍の渓谷
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会議の翌日、午前五時。約束の時間ピッタリにトールバーナの街門に行くと、既にシズクが来ていた。とりあえず声をかけることにする。
「よ、昨日ぶり」
「うん?あ、ルリくん!遅いよ、もう!」
時間ピッタリに来たのに何故か怒られた。そういえば現実世界でクラスメイトの女子と待ち合わせした時もこんな感じだったなあ。女って面倒くせえ。
「悪い悪い……で、早速だがもう出発するぞ。時間が無い」
「ん。わかった。あたしは大丈夫だよ、もう準備は出来てるから」
「装備の耐久値、ポーションの数は?」
「耐久値はMAXで、ポーションはとりあえず買えるだけ買っておいたよ」
「そうか。ならいい。じゃ、行くぞ」
「うん!」
こうして、俺とシズクが最初に二人で挑むクエストへの道のりが始まったわけである。
道中湧いてくる雑魚を蹴散らしつつ、俺とシズクはかなり順調に目的地へと向かい、予定していた正午より前の午前九時には目的地へと着いた。
「まさか予定より三時間も早く着くとは……人間やれば出来るもんだな」
「モンスターとエンカウントする度にルリくんが瞬殺、小休止も無しにぶっ続けで歩き通したんだから当たり前じゃないかな」
休憩なしだったのが余程堪えたのか、やや恨めし気な目で俺を睨むシズク。SAOでは肉低的疲労は存在しないので、疲れるのは精神だけのはずなのに息も切らしてる。雰囲気出しのためだけにやってるならアホとしか言いようがないな。
「あたしはアホじゃないよ。これでも一応、すっごく頭がいいんだからね?」
「自分で自分のことを頭がいいとか言ってる時点で頭が悪い。あと人の心を読むな」
読心術は女のデフォルトスキルだということを再確認する羽目になっただろうが。
俺のそんな心情は読まなかったのか(もしくは読んだ上であえて何も言わなかったのか)、俺たちの目的地――――つまり眼前にある小屋を見て言う。
「それで?これからどうするの?この小屋でクエスト受けるんでしょ?」
「ああ。でもその前に作戦会議をやっておこう」
パーティまたはレイドを組んで戦うのなら、作戦会議は必須と言ってもいいほど重要な工程だ。しかも俺とシズクは組んで戦うのはこれが実質初めて。だからなおさら慎重に念入りにやらなければならない。
シズクも一応その辺のことはわかってるのか、特に何も言わずに俺の言葉に従った。
作戦会議は九時半まで行われ、その後俺たちは小屋の中にいた老人からクエストを受け、十時にクエストを開始した。
場所は『赤黒龍の渓谷』。敵は四体のドラゴンだ。
「「「「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!
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