第2部 風のアルビオン
第1章 秘密の小舟
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今、ウルキオラは魔法学院から少し離れた草原にいる。
近くの岩に、デルフリンガーを立てかけた。
「こんな場所に来て何をするってんだ?」
「ちょっとな…」
掌を前にかざす。
霊圧を溜めて、それは放たれた。
「破道の31 赤火砲」
掌から人間の頭ほどの火の玉が岩に向けて放たれる。
岩に当たると、爆発し岩は粉々に砕けた。
「あ、相棒!なんだ今のは!先住魔法か!」
デルフリンガーはカチャカチャと音を立てながら驚いている。
「鬼道だ」
「鬼道?」
「ああ」
デルフリンガーと応対しながら、また霊圧を溜める。
目の前に逆三角形を描く。
3つの角が嘴のような形になった。
「縛道の30 嘴突三閃」
嘴のようなものが、先程とは違う岩に突き刺さる。
「これも鬼道…なのか?」
「ああ」
(どうやら、問題なく使えたな…)
デルフリンガーと『鬼道全集』を抱える。
「帰るぞ」
「もう帰んのかい?」
魔法学院に向けて歩き出した。
魔法学院の門の前に1人の少女が走ってきた。
ルイズである。
ウルキオラを探し回っている。
「もう!どこいったのよ!」
キョロキョロと見回す。
すると、後ろから声がした。
「何をしている?」
「ふぇ!?」
急に後ろから声がしたので、素っ頓狂な声を上げた。
「び、びっくりさせないでよ!」
「知ったことか」
ルイズに背を向け歩き出した。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
「なんだ?」
ウルキオラの前に立ち、腰に手を当てて言った。
「どこいってたのよ!」
「お前には関係ない」
「関係あるわよ!大体あんたは私の…」
ウルキオラの手に見たことのない本があるのに気づいた。
「何それ?」
「本」
「そんぐらい分かるわよ!」
「俺の世界の本だ」
ルイズは少し驚いた。
「なんでそんなものが?」
「さあな」
ウルキオラは再び歩き出す。
「もう!なんで、ああも身勝手なのよ!」
ルイズはウルキオラを追って建物の中に入った。
その頃…遠く離れたトリステインの城下町の一角にあるチェルノボーグの監獄で、土くれのフーケはぼんやりとベッドに寝転んで壁を見つめていた。
彼女は先日『破壊の剣』の一件で、ウルキオラたちに捕らえられた、『土』系統の呪文を得意とするメイジである。
彼女は散々貴族のお宝を荒らし回った名うての怪盗である。
監獄の中には、粗末なベッドと、木の机以外目につくものはない。
ご丁寧に、食器まで全て木製で
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