第二章 彼と彼女の事情
第十四話 恨みと破壊と大革命 下
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空気を破ったのは笑い声だった
「そうですね、それが満点の回答ですよ。吉井君。」
にっこりと、いつも顔に浮かべている微笑みの何倍も可愛らしい顔で僕に笑い掛けてくれる妃宮さん。
一瞬きゅんと来てしまったがそうじゃない、どうして?
妃宮さんに一体何があったの?
もしかして気が触れたんじゃ……
「皆さん、こんな茶番は終わりにしますよ。」
「「「はっ!!」」」
宣言に答えたの僕らではなくBクラスに陣取っていた連中、というより妃宮さんをさっきまでつかんでいた奴らまで応えるの!?
僕らに向けていたあらゆる武器が根本君の召喚獣に向けなおされたのに慌てるのは根本の番だった。
「お前らもか!おまえらも裏切っていたのか!」
「そうだよ!お前の独断にはもうこりごりだ、何だって今年も付き合わされないといけないんだ!!」
「そうだ、お前へからの数々の嫌がらせ。今日という今日に倍以上にして返しやる!!」
そんなBクラス内のいざこざを背に、妃宮さんは僕らのところに戻ってくる。
「吉井君、あなたには脱帽です。すこしみなさんにドキドキを味わっていただこうと思ったのですが。全く効かなかったようですね。」
「いやいや、何も僕はしていないって……というより。あれは何があったの?」
「根本君のやり方に賛同できない人たちが結集して、反乱を起こした。っていうのが概要です。」
どことなく、心の底から楽しそうにしている妃宮さんが一瞬、真っ黒に見えたのは僕の気のせいだろうか?
真面目な顔に戻って僕らを見回した妃宮さんはそして深々と頭を下げた。
「しかし、私の作戦で皆さんに不快な想いをさせてしまったこと、深くお詫びいたします。本当に申し訳ありませんでした。」
ロングスカートにその長く美しい銀の髪が滑る。
こんな一挙一動さえ優雅に振る舞われたら、僕らのクラス相手だとたぶん……
「「そんな、滅相もありません!!」」
僕の予想を超えた大合唱が起こったのは言うまでもないかな。
「ではBの皆さん、我がクラスからあなた方に求めるのは宣戦布告の権利の三ヶ月剥奪と根本君に重罰を与えて戴きたく存じます。ご了承いただけますか?」
「俺だけなのか!!……って離せ!!離せよ、おい!!」
「「「勿論です!妃宮様!!」」」
「くそっ、離せっ!」
「すみません、直ぐに静かにさせますから!」
そういって首元ににこやかに手刀を振り降ろした男子生徒の笑顔が心の底からのものだとしたら根本君はどれほどのことをしてきたのかが解るというものだ。
あの根本君が少し可哀想に見えるほどだが、まぁ当然の報いなんだろう。
「榊原先生、協定の介添えを頼めますでしょうか?」
「えぇ、勿論よ。」
英語科の榊先生は展開させていたフィールドを消し、あらかじめ用意していたのであろうプリントをバインダーの中
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