暁 〜小説投稿サイト〜
ひねくれヒーロー
世間の人が友愛と呼んでいるもの
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元を押さえて蹲るダラーの姿

えづく音が聞こえてくる


「お、兄ちゃんがはずれだ」

「うわー・・・カワイソー・・・」

「なぁなぁ、はずれって何味?」


半笑いで訪ねてくる少年少女

そんなに笑ってやるなよ


「粘土With俺の血」


とびきりの良い笑顔で親指を立ててやる


「「・・・・・・」」


途端に顔色を青くした2人が後方を指さす

うん、何か威圧感があるね


「なぁ、コン
 兄ちゃんとちょっとお話しようか・・・うん」


力強く肩を掴まれる

2人に助けを求めようと視線を向けるが逸らされる


「仮にも兄ちゃんの粘土なんだから臭いで気づいてもらいたい」


なんで食べたの?とでも言うようにふんぞり返って告げる

我ながらムカつくな


「お前の血の匂いで分らなくなったんだ、うんッ!!」


食べたことない菓子だからそういうもんだと思ったんだよ!とヒステリックに叫ばれ拳骨を落とされる

袋に入れた時点で血の匂いが充満してしまったのか

いつも自分自身が血生臭いから気にも留めなかった

ひらひらと下忍たちに手を振って馬車のなかへ戻ることにした


「兄弟アピールは出来たんじゃない?」


ダラーに向き直り、マカロンを渡す


「うん?!お前そんなこと考えての行動だったのか?」


素直に受け取って口直しに食べ始めた

吃驚したような関心したような、目が輝いている


「いや、ただの暇つぶしなんだけどな」


「お前嫌いだ!うん!」


残りのマカロンを奪い取られ、やけ食いされる

味は気に入ったらしい

俺のおやつが・・・

落ち込んだが、これでなにかあったときの看護要員を確保できたと思えば安いものだ

周囲に兄弟と触れ込んで馬車に乗ったんだから、弟の面倒ぐらい見てくれよオニイサン?







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