アスナ夢
[3/5]
[1]次 [9]前 最後 最初
方を愛し続けます。
だからアキトくん。貴方も、私の愛を理解してね?
お願い。……ずっと、一緒が良いの。
夫婦生活・22日目
彼は不意に、溜息をつきました。
その様子は、何処か何事かを不満に感じているような、そんな雰囲気だった。
思わず私は、気になったので問い掛けたの。
『どうしたの?』
その問いを聞いたアキトくんは微笑みながら。
『足りない。』なんて言い出しました。
それは、色んな意味合いを感じさせる意味深な呟きだった。
レベリングが足りないのか?
それとも。
夫婦愛、もしくは私が貴方に向ける愛が足りないのか?
でも彼は、そんな不安感を払拭するように。
私を抱き締めながら言いました。
『アスナを抱き締めるこの感触は本物だけど。現実じゃあない。だから悲しいんだ。俺はアスナを愛しているのに、感じているのに、実感が足りないんだ。』
彼は言いました。
自分を求めているのだと。一緒に生活していても不安を感じるくらい、私を愛し求めていたのだと。
それがたまらなく嬉しかった。
改めて、互いに愛し合っている事を私は理解しました。
きっとこの愛は、ゲームクリアしても続いていく事だろう。
そう信じる心に、灯火が再び灯りました。
―――その日記を、思わず見てしまった。
アキトはその日記、という名のデータ文章をじっくりと眺めていた。
そこにつらつらと書かれていたのは、自分の周囲の事情。
そして自分に対する不満や、信じようとしても湧き上がってくる不安感。
彼女に対する愛は惜しまず、行動でも言葉でも示したのだが。
それでも、それ以外の行動や出会いで彼女は不安を感じていたのだ。
愛が足りなかった、ではなく。
自分の配慮が、夫婦としての関係性が足りなかったのだ。
そもそも夫婦に必要なモノは、愛だけではないのだから。
「……アスナ。俺は、君を。」
「あっアキトくん、おはよう。」
朝、起きた時にアスナはいなかったのでリビングに居るのだろうと思えば、案の定彼女は料理スキルを器用に駆使して朝食を用意していた。
データの塊だったとしても、その料理には味も食感も、愛情も詰まっている。
だから、とても美味しいし、毎日食べていたいと思えてくる。
「ご飯出来てるよ。さぁ、一緒に食べよっ。」
笑顔でテーブルへ促すアスナ
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ