浅葱 夢
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って勉強を手伝ってくれた。
彼女は気さくで、誰にでも優しくて、一緒にいて楽しくなれる女性なのだなとこの時理解した。
―――球技大会の時。
『ねぇ明人。この格好、おかしくないかな?』
照れくさそうに、頬を赤く染めながら笑う彼女の体操服姿が魅力的で。
バトミントンでコンビを組み、共に優勝目指そうと言って笑い合った。
―――夏休みの時。
『夏祭りの花火見に行かない?』
純粋にその誘いが嬉しくて。
『また一緒に見に行きましょ。今日みたいに、古城と凪沙と四人で。』
『……楽しかったわ、明人。だから、絶対に約束だからね。』
本当は二人きりが良かったのだが。そんな勇気が、恋愛ごととなると湧かなくて。
―――結局自分がヘタレていた結果
浅葱は、他の男を好きになったのだ。
自分が知っていて、けれど思い当たらない人物。好意の対象が意外性のある人物である、ということなのだろうが。
それだけではまったく見当つかない。
そもそも、考える必要性がないだろうに。
失恋したならば、ウジウジと苦悩していても仕方がない事だろうから。
なんて、言っても。
巡り巡って結局、浅葱との思い出や彼女の微笑みばかりが浮かび上がってくるのだから困ったものだ。
「……あっ。」
気付けば、明人は無意識に自分の部屋前に佇んでいた。
「……入るか。」
沈んだ声色と気分のまま、ドアノブに手を掛ける。
と、ドアノブを回した時点で鍵を取り出す事を忘れていた事実に気付く。
だが、その必要性は無く。閉まっていたはずのドアは引っ掛からず、そのまま開いてしまった。
「あれ?」
鍵は閉めっぱなしで補講に向かったはずだが。
そんな風に思った矢先、目に飛び込んだ光景に絶句する。
「あ……」
「あっ」
二人の声が重なって聞こえた。
その声の正体は、姫柊と古城のモノだった。
目に映る光景を丁寧に説明するならば、古城が姫柊を押し倒している、ということだ。
姫柊は古城を監視するために絃神島に来たのだが、何時の間にか本来の目的以外でも監視するようになり、互いに信頼し合う夫婦のような関係性に発展していたことは何となくで理解できた。
だが。相手は中学生で、古城は高校生だ。
まだ『その行為』は早いし、いやしかし姫柊の発育は高校生のそれと遜色ないし、いや年齢的にどうなのだろうか。
そもそも場所が玄関で、とは古城もなかなかの
「ちょっと明人さん見ていないで助けてください!!先輩は疲れてて身体が動かせない状態なんです。」
「そっ、そうなんだよ。今回の事は色々と
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