浅葱 夢
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相応に成長していれば、ドストライクで先生でしたけども。」
「ほう。言ったな小僧。この私をお前如きが御しきれるかどうか、今度のデートに行ってエスコート内容を見せてもらおうか。」
「すみませんやっぱり浅葱が一番です。」
「それで良い。浅葱もきっとお前の事を好意的に思っているはずだ。」
「マジですか先生っ!!」
「まぁ、この後のデートの内容で幻滅されるのがオチだがな。」
「先生辛辣すぎます、夢や希望を持たせてくださいよ!」
そんな談笑も交えながら、那月先生との二人きり補講は―――始まりの九時から二時間かけて終わったのだった。
明人と浅葱の出会いは、高校に入学する時だった。
姫柊と同じ獅子王機関に所属していた彼は、姫柊よりも先に絃神島配属が決定していた。勿論内容は姫柊と一緒に『第四真祖を監視する』こと一点のみだ。
機関の手配でアパートの手続きも済ませてあり―――ここで古城の部屋の隣を陣取り、姫柊と同棲する事になる―――街中を隅々まで把握するために偵察を主旨とした散歩をしようと実行した。
そこで獣人にナンパされている綺麗な女性を見掛け、明人は獅子王機関で鍛えた魔術と体術を駆使して追い払う。
―――実を言うと、ナンパされた美少女が浅葱だったりする。
その事を当時はまだ気付かず、何も言わず追及もせずに颯爽とその場を後にした。
そして入学式の時に。
「貴方、この前あたしを助けてくれた……!」
クラスメートになった事を、知るのだった。
「この前はありがとう、助かったわ。」
その時の笑顔に、思わず見惚れてしまった。
これこそが恋、一目惚れなのだなと理解した。
だから。
「いや気にすんなよ。俺だってあん時苛々してて、ストレス発散したかっただけだし。」
と、軽く適当に流して。
彼女の感謝から来る微笑みから、目を逸らしてしまった。
その時に。
浅葱の表情に一瞬翳りが宿った事に、明人は気付く事もなく。
その日から、二人は友達になり。
浅葱のお陰で、古城にも接近する事が出来て、姫柊と『自然な流れで』知り合いとなったのだ。
「以上回想終わり。さぁ浅葱、さっさと買い物行こうぜ。」
「ちょっと待って、今誰に向かって言ったのよ?」
「細かい事は気にするな。美人が台無しだぞ。」
「えっ、それってどういう……ちょ、待ちなさいよ明人!」
補講も終わり、解放的な気分を味わいながら商店街へと向かう二人。
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