滅殺者は希望の光
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岩山に到着したダークとシノンは、次のスキャンまで回避してようと言う話になった。
「……シノン、大丈夫か?」
「うん、平気。ありがとう」
ダークの言葉をシノンが返すと、ダークは言う。
「……また、辛い想いをさせたな。ライトやキリトとなら安心と思っていた俺のせいだ……!」
ダークは壁に拳を叩き付けて言う。
「……詩乃。お前はここにいろ。本来ならログアウトして貰いたいが、大会中は不可能だからな」
「え……」
ダークはバレットM28とBizonの残弾をチェックする。
「……一人で、あの男……死銃と、戦うの……?」
シノンの掠れた声が聞こえ、ダークは頷く。
「彼奴は……強いよ。銃の力が無くても、それ以外の装備やステータス、何よりプレイヤー自身の力が突き抜けてる。……俺は、詩乃を守りながら戦うのは、無理だ」
「……黒鉄さんでも、彼奴が恐いの?」
「……ああ。恐い。昔の俺なら、死のうが関係無い、そう思っただろうな……。でも、今は違う。守りたい者と、相棒が待ってる。だからこそ……」
ダークはそこから先は言えなかった。
すると、シノンは言う。
「……私、逃げない」
「……え?」
「逃げない。ここに隠れない。私も外に出て、あの男と戦う」
「正気か!?彼奴に撃たれれば死ぬかも知れないんだ!!俺は接近タイプだから良いが、詩乃、お前は違うだろ?もし、零距離から撃たれればーーーー」
「死んでも構わない」
その言葉に、ダークは詩乃を叩いた。
「……え?」
「……そんなこと、言わないでくれ」
シノンはダークを見ると、ダークは笑みだけを浮かべていた。
「……あの事件で、君が生きててくれた時、本当に、これでよかったと思った。……でも、君がそれを切っ掛けに虐められているのが俺には凄い許せなかった。自分を恨んだりもした。何でそばにいて詩乃を助けられないのか、ってね」
ダークはそう言うと、シノンの手を握った。
「だから、今度こそ俺は君を守る。血濡れた人殺しの手だろうが、関係無い。伸ばそうと思えば幾らでも手は届く。……そうやって、俺は“あの世界”で様々な希望を見た」
そして、“詩乃”に向かって、“翔夜”は言った。
「安心しろ。心配するな。俺が……“詩乃の最後の希望……光になる”」
「う………うっ………」
突然、シノンが涙を溢し始めた。
ダークは、シノンを抱き締めて、その頭を撫でた。
暫く経ち、シノンは元のシノンに戻り、ダークは元のダークに戻る。
「……シノン、覚悟は出来てるんだな?」
「……うん。だって、黒鉄さんが……ダークが、助けてくれるんでしょ?」
シノンは言うと、ダークは頷き、<武器創造>で創ったある太刀を手に持った。
刀身は黒く、そしてまた、それは“あの世界”を彷彿とさせる。
「<漆黒の狂戦士>
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