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ソードアート・オンライン ≪黒死病の叙事詩≫
≪アインクラッド篇≫
第一層 偏屈な強さ
≪イルファング・ザ・コボルドロード≫ その弐
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わけではない。むしろ十メートル先から一方的に攻撃されかねないという恐ろしい事実が判明しただけだ。チャンスがあれば攻撃しようと思ったがこれではどうしようもなく時間稼ぎでしかない。

「やっべーな。このままだと俺が死んじまうぞ」

 イルファングと戦ったはいいが、さっさと撤退方法を考えなくてはなるまい。一番形が整っているのが、後退しながら時間を稼いで最後にフェイントをかけて不意に全速力で脱出、これしかあるまい。だがそれは俺の望んでいる結末ではない。二十メートルの余裕があるので後ろの仲間達をちらりと見る。混乱は止まり、誰しもが沈黙している。俺の戦いを見ている者もいれば未だ出口に向かいよたよたと逃げ惑う者もいる。

 H隊の面々は――インディゴは動かない、未だ怯えたように震えている。ギアは戸惑っている、逃げもせず戦いもせず、悔しそうにコボルド王を睨みつけている。キリトとアスナは、……武器を構えた。ということは……戦うのか、キリト。それはそれは、力強い。三人もいれば僅かだが確かに勝機がある。後方から走って向かってくる二人の少年少女に大きな声で話しかける。

「キリト! 頼むッ! 指示をくれ!」
「ああ分かった! アスナ! 手順はセンチネルと同じだ! 行くぞ!!」
「……解った!」

――二ラウンド目だぜ、イルファング・ザ・コボルドロード。俺はお前を倒して、殺す。
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