第3巻
戦いのあと
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
改を呼んで奏と優斗は森の方に向かった。黒鐵改は、陰の中に入って束がいるところの真下で待機した。
「紅椿の稼働率は絢爛舞踏を含めても三割か四割かぁ。まあ、こんなところかな」
空中投影のディスプレイに浮かび上がった各種パラメータを眺めながら、束は無邪気に微笑む。子供のように。天使のように。
「んー・・・・・ん、ん〜」
鼻歌を奏でながら、別のディスプレイを呼び出す。そこに映ってたのは、束も興味津々の金色のISと緑から青にかわったISと黒鐵改の映像を見ていた。特に黒鐵改の映像は、何回見ても飽きない。あの化け物と黒鐵改が戦うところは。それを眺めながら、束は岬の柵に腰かけた状態でぶらぶらと足を揺らす。目の前にはただ海が広がり、高さは30m近い。落ちれば無事では済まないその場所でも、束の表情は決して変わることはない。
「は〜それにしても驚くことがいっぱいだよ。あの金色の装甲に、緑から青に変わった装甲に本来なら持ってるはずのない雪片を持ってるいっくんとこのIS操縦者」
「そうだな、正直言って私も驚きでいっぱいだ」
森から音もなく千冬が姿を現す。漆黒のスーツに身を包んだその姿は、夜の闇全てを引き連れているかのような静かな威厳に満ちていた。
「やあちーちゃん」
「おう」
二人は互いの方を向かない。背中を向けたまま、束はさっきまでと同じようにぶらぶらと足を揺らし、千冬はその身を木に預ける。どんな顔をしてるのか、別に見なくてもわかる。そんな確かな信頼が、二人の間にあった。
「ところでちーちゃんの後ろにいる人、出ておいでよ」
と言って束に答えて出てきたのは、奏と優斗だった。二人は、束の近くに行ってたので千冬も寄った。
「私に何か質問でもあるのかな?」
「質問はあなたじゃありませんか?一夏についての事も知りたいはずでは」
「うーん。じゃあ聞くけどこの白式はどこで手に入れたの?これは本来私がもらって雪片弐型をつける予定だったけど」
「それだったら本人に聞くのが一番かと、ねえ一夏」
と言って俺は、影から出てきて束の目の前に出てきた。束さんは、落ちそうになるところを俺が支えて地面に座らせた。そして俺は、射影体で束の前にいた。
「一夏、その姿は」
「この姿は射影体といいます。黒鐵改がここにいる間は、一夏は射影体で話す事が可能です。射影体とは脳の一部を媒介として「射影体」と呼ばれる疑似感覚的情報入出力デバイスを投影し、話かける事が可能です。本来、黒鐵改いえ機巧魔神は副葬処女で動いています。機巧魔神を動かすための「贄」として機巧魔神の中枢部に収められている少女。機巧魔神はこの少女らの魂の質量を削って演操者の願いを叶え続ける。副葬処女は組んでいる演操者の言霊(召喚時の掛け声)を契機に呪文
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ