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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百四幕 「泣きの一回使用済み」
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でに連合王国産じゃないか。何をやってるんだあの国は……データ流出どころか本体を丸ごと盗まれたっていうのか?」

この映像を上に提出すれば、連合王国も知らぬ存ぜぬでは通せない。自国の危機管理能力が疑われるのは勿論、最悪の場合テロリストとの繋がりが存在すると受け取られる。IS委員会などという限定的なものでなく、国の威信をかけてグローバルな壇上に上がらなければいけなくなる。
既に学園への干渉などで日本もアメリカも上がっている。ゴスペルの事を考えれば道連れでイスラエルも矢面に。これからのIS学園の状況次第ではもっと多くのIS先進国も引きずりあげられるだろう。

事を荒げるよりも力を蓄えなければいけない筈のIS情勢が大きく乱れる事になる。
黒田は、これらの事件の影に何者かの意志が見え隠れする気がした。
事件の実行が可能な人間。まだ正体の知れない人間。ひょっとすれば、こちらの懐の中にも獅子身中の虫がいるかもしれない。

自衛隊の一部隊がどうこうできる存在ではない何か。
IS学園に平気で干渉し、世界を混乱させる何か。
そしてそれは、恐らくは複数。

「何せ、こんだけ意味不明の物が出てくるんだ。鬼や蛇じゃ済まないと思うのが普通だろ」

闇夜の影よりもなお深淵なる黒を見やりながら、黒田はあさがお部隊の将来に思いをはせた。



 = =



――汝、大禍を退け人界を守護する覚悟有りや?

『ひ、ひとつ聞いていいかしら?』

――。

『だからさ……いったんジンカイの守護とかは置いておいてさ。なんでそこでアタシに確認取るの?ISコアに干渉できるんならもっと別の操縦者でもよかったと思うんだけど』

――我が五行器を輪転させるには、強念の者の強かなる意志が不可欠。だが、それを持つ者とは、ただ二人しか巡り合えず。

『なら、そのもう一人と守るってのはない訳?』

――不可能なり。

『ふ、不可能?何でよ?』

――まだ、思い出せぬか?

『へ?思い出すって、何を思い出せってのよ?』


ゆらり、ゆらり、揺れる空間。
現れたるは、太陽の如きぬくもりを抱いた幻の神性。

龍のような、馬のような。
ただ、それを見上げるだけで跪きそうになるほどにその姿は畏敬の念を抱かせる。


――力尽き、石くれと成り果てようとした我。

――力尽き、土に還ろうとしていた汝。

――あの時、汝は既に我と契約を交わしていたことを。


「ッ!?う、ぐうう……!?」

熱い。
胸の奥が、熱い。
燃盛るような熱が、鈴の目を覚まそうとするように、この身体を疼かせる。
その熱は、鈴の胸を貫く炎の柱となった。
で、あるにもかかわらず、鈴はとても強い心臓の鼓動を感じた。


――我は懇願
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