第3巻
臨海学校前の買い物
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夏が、そう、言っていて、だな・・・・』
と、そこまで聞いてクラリッサはピンときた。
「ああ、織斑教官の弟、いや兄でしたか。それで隊長が好意を寄せている彼ですか」
『う、うむ・・・・ど、どうしたらいい、クラリッサ?こういう場合は、どうすべきなのだ?』
「そうですね・・・・。まずは状況把握を。直接言われたのですか?」
『い、いや、向こうはここに私がいるとは思っていないだろう』
「・・・・最高ですね」
『そ、そうなのか?』
「はい。本人のいない場所でされる褒め言葉に嘘はありません」
『そ、そうか・・・!』
さっきまで動揺十割だったラウラの声が、クラリッサの言葉でぱぁっと花開くように明るいものへと変わる。ちなみに現在集めた隊員達には、クラリッサがプライベート・チャネルをしながら筆談で状況を伝えるのだった。
【隊長の片思いの相手に脈アリ】
『おおおお〜!』
と十数名の乙女が盛り上がった声を漏らす。ちなみに、この部隊でラウラは人間関係に多大な問題を抱えていたがのだが、先月のVT事件の直後に『好きな男ができた』と言う相談をクラリッサに持ちかけた時から全てのわだかまりが解けて消えた。そのときの様子を断片的に伝えると。
「えええっ!あ、あの隊長に、好きな、男!?」
「私は織斑教官を本気で好きなのだとばかり・・・・!」
「そうだろう、そうだろう。私もそう思っていた。しかし、だな。あの隊長が、あの、隊長がだぞ。『お、男の気を引くにはどうしたらいい・・・・?』と言ったんだ!」
「「「きゃああ〜っ!」」」
「だから私は真摯に教えた!日本では気に入った相手を『自分の嫁にする』という風習があるということを!」
「さすが副隊長!日本に詳しい!」
「当然だ。私は伊達や酔狂で日本の少女漫画を愛読しているわけではない!」
「か、かっこいい・・・・・!」
「そんなかっこいい副隊長が好きです!」
「でも、可愛くなった隊長はもっと好きです!」
「そうだろう!私もそうだ!ああっ、どうして本国にいる間にこうして心を通わせあえなかったのだろうか!」
「たしか、こういうときに日本では赤いお米を炊くんですよね!?」
「そうらしい。おそらく、血よりなお濃いものという教訓なのだろうな」
「さすが日本、痺れます!」
「憧れます!」
「よし、部隊員諸君、現時刻をもって今日の訓練は終了する!今すぐ兵舎食堂に向かい赤い米を炊くぞ」
「「「はい、副隊長」」」
とこんな感じであったが、このあと織斑一夏大佐から連絡があり、どういう原理かはわからないがハリセンで叩かれたクラリッサ。あと『自分の嫁にする』という風習はないと断言された、あと嫁っていうの
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