第3巻
臨海学校前の買い物
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俺は密かに後ろに立ってから三人の頭に向かってハリセンを殴り叩いた。
『パシイィィィィィィィイン・パシイィィィィィィィイン・パシイィィィィィィィイン』
「いったあーーー、誰よ?ってい、一夏」
「お前らが尾行してるのはとっくに気づいていた、わざと泳がせていたけどな」
「こ、これが一夏のハリセンの威力。教官のより強い」
この音につられたのか、他の女性客が出てくるが俺が説教をしてるところを見たらすぐ引き返して行ったが、ここに千冬と山田先生がおった。
「なんだ、一夏も来てたのか」
「セシリアとシャルに水着を買いにね、あと軽くデートでもしようと思ったらこいつらが尾行してた」
「な、なるほど。さっきの音は織斑さんのハリセンの音でしたか」
「それより千冬と真耶さんはどうしてここに?」
「私たちも水着を買いに来たのですよ。あっそうだ、私買い忘れたのがあったので篠ノ之さんと凰さんは私と一緒についてきてください」
と言って退散した、あれか。俺と千冬での水着選びをしろということか。
「・・・・まったく、山田先生は余計な気を使う」
「そうだな、それより水着買うんだろう」
「ああ、別に気を遣わなくてもよかったんだが。それより一夏、どっちの水着がいいと思う?」
そう言って千冬が見せたのは専用のハンガーにかけられてた水着二着。片方はスポーティーでありながらメッシュ状にクロスした部分がセクシーさを演出している黒の水着。もう片方はこれまた対極で、一切の無駄を省いたかのような機能性重視の白い水着。
「そうだな、黒の方だと思うぞ」
「そうか、てっきり白の方を選ぶと思ったが」
「俺は前までは弟だったからな、そのときだったら白を選んでいたかもな。だが今は一個上になってしまい兄になってしまったからな、俺としては黒の水着のほうが似合っ
ていると俺は思う」
「なるほどな、歳が上になってからは女の気持ちもわかってきたのか」
「俺は昔から分かっていたつもりだが、まあ例えばラウラの水着姿も見てみたいけどな。可愛いし」
「ラウラのか、たしかにな」
俺と千冬は談笑しながらも、その黒い水着は俺が買ってあげた。たまにはいいだろっと言ってな。そのあと別れてセシリアとシャルと合流した。二人とも、試着をしてから待っていたそうだが。二人の水着も買ってあげてから高級レストランに向かった。一方ラウラは水着コーナーで足止めをくっていた。ハリセンの威力が強すぎたのかまだふらふらしていた。
「(そういえば私も水着がなかったな。まあ泳げればなんでもいいだろう。あの水着は機能的に優れている。代わりの物は必要ないな)」
そう思い、冷めた瞳で水着の列を見てたら、次の瞬間白い肌が赤く染まった。
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