第一章
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ど」
彼が一年なのは何となく雰囲気からわかることであった。
「一年B組の佐々木健次郎です。部活は」
「あっ、それは言わなくてもわかるわ」
流石に防具袋を持っていてわからない筈もなかった。
「剣道部よね」
「はい」
「じゃあ近いうちに剣道部に確かめに行くから。いいわね」
「あの、わざわざですか?」
「そうよ。当然でしょ」
若菜は相変わらず胸を反らせて言った。
「本当に約束を守っているのかどうかね」
「厳しいんですね」
「風紀委員長は厳しいものなのよ」
眦をきつくしてこう述べてきた。
「それも言わなくてもわかるでしょ」
「はあ」
「わかったならすぐに行動に移しなさい。いいわね」
「わかりました」
こうして健次郎は防具袋を買い換えることになった。二人の廊下でのこのやり取りから数日後。若菜は本当に剣道部にやって来た。
「あれっ、斉藤じゃないか」
背の高い学生が彼女に気付いた。剣道部は丁度体育館の一角で稽古をしていた。そこに来たのである。
「今日そっちはいいのか?」
「ええ、ちょっと生徒会の関連で来たから」
どうやらこの二人は同じ学年で知り合いらしい。やり取りは対等なものであった。
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